「1枚10円払います」レシート現金化アプリ、なぜ開発?
レシートを1枚10円に換金するアプリを、高校生が起業したベンチャー企業が開発した。アプリを作るきっかけや展望を聞く。
「レシートを1枚登録すると10円になる」――こんなiOS向けアプリを、高校生が起業したベンチャー企業ワンファイナンシャル(港区)が6月12日に配信開始した。
アプリでSMS認証してアカウントを登録。スマートフォンカメラで撮ったレシートを送ると、アプリ内ウォレットに10円が即時振り込まれる。取り扱うレシートの種類は「全て」。
アプリ内に振り込まれたお金は、登録した銀行口座へ出金できる(手数料は200円)。国内の主要な金融機関に対応し、出金時には免許証などでの本人確認が必要。普段は捨てていたレシートを現金化できるとあり、ネット上では早速話題に。リリース後4時間で、買い取り枚数は1万枚を超えた。
なぜ、アプリを使ってレシートを現金化させようと考えたのか。レシート換金アプリ「ONE」を開発した同社に、開発のきっかけや今後の展望を聞いた。
身近にあって実は価値あるもの
現役高校生でもあるワンファイナンシャルの山内奏人社長は、11歳のときに「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」の15歳以下の部で最優秀賞を受賞するなど、幼い頃からプログラミングで頭角を現していた。
17年8月には、ワンファイナンシャルの前身となるウォルトでカード決済ターミナルの「ONE PAY」をサービス開始。10月にベンチャーキャピタルのインキュベイトファンドやD4Vから総額1億円の資金調達を実施している。
そんな山内社長は、「身近にあるもので、みんながいらないと思っていても、実は価値あるもの」を探していた。その発想からレシートに着目。オフラインの購買情報を分析したデータには企業からの需要があると考え、ONEを開発した。
分析データの提供方法は「今後の検討次第」としているが、データ提供やユーザー送客の他にも、「あらゆるものを現金化する、“次世代の金券ショップ”のような新しい仕組み」も今後の展望として検討しているという。
どこにでもあるレシートを換金できるという性質上、開発側が意図しない不正な登録もされるのではという懸念もある。これについて同社は「一般的にレシートは1日に数十枚ももらうものではない」という考えの基、1日10枚までの登録と制限を定めている。
個人情報の取り扱いについても「アカウントを削除すれば、個人情報や利用情報は削除される」としている。
当面の目標は「数百万枚の買い取り」。まずは分析対象を十分に集めようという考えだ。
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