JOLED、印刷方式の有機ELディスプレイ量産に向け新工場建設へ 資金調達は「継続中」
JOLEDは、有機ELディスプレイの量産のため7月1日付で石川県能美市に新しい事業所を開設する。10〜32インチの中型サイズを生産する予定。
JOLED(東京都千代田区)は6月26日、有機ELディスプレイの量産のため7月1日付で石川県能美市に新しい事業所を開設すると発表した。世界初のRGB印刷方式有機ELディスプレイ量産工場として2020年の稼働を目指す。
新設する「能美事業所」は、ジャパンディスプレイの旧能美工場を産業革新機構から29日付で取得するもの。敷地面積は約10万平方メートル、建設予定の地上5階建て新製造棟を含む延べ床面積は10万4000平方メートルとなる。
G5.5(ガラス基板サイズ1300×1500ミリ)のラインは月産約2万枚の生産能力となる見通し。ハイエンドモニターや車載ディスプレイ、PCなどの用途を想定して10〜32インチの中型サイズを生産する。
同社は量産開始に向け、6月末までに1000億円規模の資金調達を目指すとしており、27日時点でも「継続中」(同社広報)だ。「能美工場の新棟建設や初期導入設備にかかる資金はある。最終的には1000億円必要と考えているため(資金調達を)継続する」としている。
JOLEDは、2015年1月にパナソニックとソニーの有機EL開発部門を統合し、設立された専業パネルメーカー。パナソニックが開発していたRGB印刷方式を継承し、量産技術の確立を目指している。
16年にはジャパンディスプレイの製造ラインを借り受ける形で、G4.5(730×920ミリ)のパイロットライン(開発試作ライン)を石川技術センター内に開設。ここで製造した21.6インチの4K有機ELパネルは現在、医療用モニターやハイエンドモニター向けパネルとして出荷している。
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