災害時用無料Wi-Fi「00000JAPAN」悪用した攻撃に内閣府が注意喚起
西日本豪雨の被災地などで、災害時用の無料Wi-Fi「00000JAPAN」が提供されている。ただ、通信内容が第三者に盗聴されるリスクがあるため、「緊急時のやむを得ない安否確認や情報収集のみに利用してほしい」と内閣府が注意を呼び掛けている。
西日本豪雨の被災地などで、災害時用の無料Wi-Fi(統一SSID)「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)が提供されている。ただ、通信が暗号化されておらず、同名のSSIDを設定したなりすましも可能。通信内容が第三者に盗聴されるリスクがあるため、「緊急時のやむを得ない安否確認や情報収集のみに利用してほしい」と、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が注意を呼び掛けている。
「00000JAPAN」は、大規模災害時に無料開放する災害用統一SSIDとして2014年に世界で初めて策定。冒頭に「00000」を付けてSSIDの検索結果上位に表示されるようにし、「JAPAN」を加えて海外からの救援者にも理解しやすい文字列にした。6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震の被災地や、7月上旬に西日本を襲った豪雨の被災地で提供されている。
ただ「00000JAPAN」は、緊急時の利便性確保を優先して通信が暗号化されていない。このため、「攻撃者によって、通信の途中で盗聴、偽のアクセスポイントを使った情報の奪取などの危険性がある」と内閣府は指摘。「緊急時のやむを得ない安否確認や情報収集のみに利用し、ID、パスワード、個人情報の入力、お金が関係するサービスの利用は極力避けて下さい」とし、携帯電話回線が通じる場合は、そちらを利用するよう呼び掛けている。また、これに限らず無料Wi-Fiを利用する必要がある場合は、VPNソフトを使って通信することをすすめている。
関連記事
- 携帯3キャリア、豪雨被災地で公衆Wi-Fi無料開放 「00000JAPAN」岡山県、広島県、愛媛県で
携帯3キャリアは、西日本を襲った豪雨で大きな被害を受けた岡山県、広島県、愛媛県全域で、公衆無線LANの無償提供を始めた。災害用統一SSID「00000JAPAN」を利用すれば、通信会社との契約不要でネット接続できる。 - 災害時に公衆無線LANを無料開放 世界初の統一SSID「00000JAPAN」策定
大規模災害時に無料開放する災害用統一SSID「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)を、無線LAN事業者などで構成する無線LANビジネス推進連絡会が策定した。 - 西日本豪雨被害の募金、ヤフーやLINEなど受付中
西日本を襲った豪雨による被害を受け、被災者の救援や被災地域の支援のための募金を、ヤフーやLINEなどWeb各社が始めている。 - ZOZO、豪雨被害の倉敷市に衣料7000点提供 前澤社長「お困りの自治体は連絡を」
西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市に対して、ZOZOTOWNが衣類や下着、子ども服など7000点を提供する。「他にもお困りの自治体様は@ZOZOTOWN_CSまでご連絡ください」と社長がTwitterで呼び掛けている。 - 世界最大の仮想通貨取引所「Binance」、西日本豪雨に1億円相当寄付へ
香港の大手仮想通貨取引所「Binance」のジャオ・チャンペンCEOが、西日本で起きた豪雨被害に対して、100万ドル(約1億1000万円)相当を寄付するとTwitterで明らかにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.