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「なでしこリーグ」も配信 世界80カ国を開拓したサッカー無料配信サイト「mycujoo」は何者か(2/3 ページ)

普段はなかなか見られない世界各国のマイナーなサッカーリーグの試合を配信するサービス「mycujoo」。スイス発の動画配信サービスはどのように生まれたのか。

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なぜマイナーリーグに注目?

 mycujooは、ポルトガル出身の双子の兄弟ペドロ・プレサCEOとジョアン・プレサ氏が創業。ペドロCEOが応援していたサッカーチーム・ボアヴィスタは、ポルトガル1部リーグで優勝するほどの強豪だったが、やがて3部リーグに降格。当時スイスに住んでいたペドロCEOはスタジアムに行くしか試合を観戦する手段がなく、mycujooのように時間や場所に縛られない配信プラットフォームの必要性を感じたという。

ペドロCEO
左から創業者のペドロ・プレサCEOとジョアン・プレサ氏(公式サイトより)

 mycujooという名前は、古代中国のフットボールゲーム「Cuju」に由来。これにfootballの「o」と、サッカーがみんなのものであることを示す「my」を加えたとしている。

 創業当初3人だった社員は、現在50人以上。本社はオランダのアムステルダムで、シンガポール、リスボンなどにも拠点を置く。

 「テレビで放送されなくてもその試合を見たい人は必ずいる。それが10人だろうが10万人だろうが関係なく、mycujooを通していつでもどこでも観戦できる。これまで解決策がなかったサッカー界のニーズに応えている」(同社)

 テレビや他の配信サービスなどがメジャーな人気コンテンツで視聴者を集める中、同社は「サッカーファンのニーズに応える」ことに忠実であろうとしているようだ。


インドネシアのスタジアムで配信(写真提供:mycujoo)

「なでしこリーグ」契約に奔走した日本人

 日本に目を向けると、同社はなでしこリーグ、北信越フットボールリーグ、関東フットサルリーグなどと契約を結んでいる。2018シーズンは、なでしこ1部リーグや、新潟県に拠点を置くサッカー専門学校・高等部である「JAPANサッカーカレッジ」のホームゲームなどを中心に配信するという。

 なでしこリーグとの契約に奔走したのが、シンガポール拠点でアジア地域のパートナー支援を行う辻翔子さんだ。辻さんは17年10月にmycujooへ入社。アジア各国のサッカー協会(現時点で29協会)を相手に、コンテンツ配信や収益化のフォローなどをしている。


右から2番目が辻翔子さん。キルギスサッカー協会とのワークショップ中(写真提供:mycujoo)

 現在シンガポール拠点で働く辻さんは、サッカー元日本代表の宮本恒靖さんも卒業したスポーツの大学院「FIFAマスター」(国際サッカー連盟が運営)を修了しており、そこでの経験が今の仕事につながっているという。

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