ソフトバンク、「駐車場シェア」開始 AI使って需要予測 Yahoo!カーナビ連携も
ソフトバンクが、駐車場のシェアサービスを始める。利用者はアプリ上から検索や予約、決済が可能。駐車場の貸し手はまずは法人だが、将来的には個人の土地貸し出しも案内していく。
ソフトバンクは7月13日、駐車場の貸し手と借り手をつなげるシェアリングサービス「BLUU Smart Parking」(ブルースマートパーキング)を発表した。スマートフォンアプリ上から駐車場の利用予約ができる他、駐車場へのナビゲーションに「Yahoo!カーナビ」と連携する。貸し手も、従来より低コストで余った土地に駐車場を導入できるという。
8月20日ごろからβ版のトライアルを始め、まずは大都市圏を中心に10月下旬からサービスを正式開始する。まずiOS11以上のiOSデバイス向けにアプリを提供し、今秋以降にAndroidデバイスにも対応する予定。
本サービスでは、利用者側は駐車場の検索、予約、決済までスマホアプリのみで完結できる。駐車場については、まずは法人向けに土地貸し出しを呼び掛ける。個人宅の土地利用についても順次案内し、駐車場として利用できるようにしたいとしている。
既存の駐車場に比べ、IoTデバイスで低コストに
既存のパーキングシェアサービスに対する強みは、「Yahoo!カーナビとの連携」「駐車場設置機器の低コスト化」「シェアリングサイクルとの連携」「AIによる駐車場需要の可視化」だという。
iOSやAndroidデバイスからカーナビとして利用できるYahoo!カーナビと連携し、アプリ上から駐車場を検索しナビゲーションなどを行える(詳しい仕様は策定中)。
駐車場に設置する機器としては、従来の精算機やフラップ板ではなく、カメラセンサーや磁気センサーを搭載するIoTデバイスを置くことで、クルマのナンバー認識や入出庫管理を行う。導入時の具体的な価格は非公開としたが、従来のシステムより安く導入できるという。
また、ソフトバンク傘下OpenStreetのシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」(ハローサイクリング)との連携も発表。具体的な連携方法は未定だが、駐車場から実際の目的地への「ラストワンマイル」をシェアサイクルで移動できるような連携を目指す。
周囲の駐車場の価格情報や地域の人口データなどから、その場所に駐車場を設置した場合の需要や価格を予測できるAIエンジンも開発した。需要を可視化することで、土地提供を見込める顧客にレコメンドしたい考えだ。
ソフトバンクの北原秀文本部長(テクノロジーユニット 技術戦略統括 グローバル事業戦略本部)は、「シェアリングエコノミーに対しては抵抗感を持つ人もいると思うが、一度体験してみるとその便利さがよく分かる。ソフトバンクのデータ分析を活用したパーキングシェアで、駐車場の新たな利便性を提供していきたい」と意気込んだ。
関連記事
- 個人も一緒に参加する、メルカリのシェアサイクル「メルチャリ」 福岡でスタート
メルカリの子会社であるソウゾウは、シェアサイクルサービス「メルチャリ」を27日から福岡市で提供すると発表した。提携企業の他、個人も駐輪場を提供でき、サービスに共に参加できる形式を特徴とする。 - フォルクスワーゲン、カーシェアリングに「WE」ブランドで参入へ 電動スクーターも
独Volkswagenが電気自動車によるカーシェアリングサービスを2019年にまずはドイツで開始する。2020年には米国やアジアにも進出する計画。電気自動車だけでなく、電動スクーターやスケートボードも提供する見込みだ。 - 日産、カーシェア参入 来年1月スタート EV「リーフ」など活用
日産自動車が、カーシェアサービス「NISSAN e-シェアモビ」を2018年1月に始める。電気自動車(EV)「リーフ」や「ノート e-Power」を活用する。 - トヨタとパーク24、都内でカーシェア 車載機器からデータ収集
トヨタ自動車とパーク24が、都内でカーシェアリングサービスを試験的に行う。車両の安全性向上や無人化の推進につなげる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.