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「とりあえずAI」は危険 人工知能で成功する企業、失敗する企業(3/3 ページ)
コンサルティング企業YCP Japanの伊藤聞多ディレクターが、日本企業のAI導入の実態を語った。成功する企業には共通点があるという。
中国の脅威、日本はどうする?
中国へ視察に行くことも多いという伊藤さんだが、中国は国を挙げてAIの施策に取り組んでいる(関連記事)。中国は、2017年7月に新たな国家戦略として「次世代AI発展計画」を発表。2030年までにAI関連産業規模を10兆元(約170兆円)にまで成長させることを目標にしている。
伊藤さんは「中国のAI開発は投資額や人材、使用できるデータ量含め、規模感が圧倒的。今後、中国と日本の差はますます広がっていく」と危機感をつのらせる。
「AI開発を日本がグローバルにけん引するのは厳しい」と見る伊藤さんだが、国内の需要には可能性を感じているという。「国内に目を向けたニッチ戦略はありだろう。自動運転や日本語の言語処理など、国内で需要がある分野は少なくない」(伊藤さん)
投資規模や人材面などで中国や米国に圧倒される日本だが、伊藤さんは「日本経済はこれまで製造業がけん引してきたが、そこには現場のたゆまぬ努力があった。そうした現場の努力はAI導入にも生きてくる」と前向きだ。
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