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「洞窟に引きこもるアリ」発見、日本初 世界でも2例目
沖縄本島の洞窟から「洞窟性アリ」の新種が見つかったとする研究成果を、九州大学が7月23日に発表した。洞窟にしか生息しないアリが発見されるのは日本初で、世界でも2例目。
沖縄本島の洞窟から「洞窟性アリ」の新種が見つかったとする研究成果を、九州大学が7月23日に発表した。洞窟にしか生息しないアリが発見されるのは日本初で、世界でも2例目。
「ガマアシナガアリ」と名付けられた新種のアリは、薄い体色で目が小さく、脚や触角が長い傾向があり、洞窟に生活する生物の傾向に一致する。洞窟付近の森林からは発見されないことから、洞窟のみに生息する可能性が極めて高いと研究グループは述べている。
ガマアシナガアリの学名「Aphaenogaster gamagumayaa」(アファエノギャスター・ガマグマヤア)の種小名ガマグマヤアは、沖縄方言で「洞窟に引きこもる者」の意味。
発見者は沖縄県在住の名嘉猛留さんで、九州大学の丸山宗利准教授とともに、動物分類学の学術誌「Zootaxa」で論文を発表した。
丸山准教授は「初めて標本を見たときはひっくり返りそうになった。もともと洞窟はアリにとって暮らしにくい環境で、日本から見つかると思ってなかった。今のところ生息場所は限られる。大切に守りたい」とコメントした。
これまでに見つかっている、洞窟性と考えられるアリは、2003年にラオスで発見されたハシリハリアリ属の一種のみ。
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