メルカリが決済サービスに本腰 フリマ販売収入を実店舗でも利用可能に
メルカリがキャッシュレス決済サービスに本腰を入れる。ユーザーがメルカリで得た販売収入や銀行口座などを一括管理できるウォレット機能を提供し、オンラインだけでなく実店舗でも利用できるようにする。
メルカリがキャッシュレス決済サービスに本腰を入れる。山田進太郎会長兼CEOは8月9日に開いた決算説明会で、ユーザーがメルカリで得た販売収入やポイント、評価などを、ネットと実店舗の両方で利用できるようにする新サービスの構想を発表した。
金融事業を手掛ける子会社のメルペイを通じ、ユーザーがメルカリの販売収益などを管理できるウォレットサービスを提供する。「メルカリ利用者がオンライン、オフラインを問わず支払いに使えるサービスを実現したい」(山田CEO)
メルカリは決済サービスの提供に向け、2017年11月にメルペイを設立。18年7月にはメルペイの子会社としてメルペイコネクトを設立し、提供予定のサービスの加盟店を増やすと発表していた。だが、肝心のサービス内容は明らかにしていなかった。
新たに提供する決済サービスは、ユーザーのメルカリIDと連携し、メルカリで得た収入や、銀行口座、チャージした金銭などを「メルペイウォレット」で一括管理できるようにする。ウォレット内のお金は、メルカリでの商品購入や自転車シェアリングサービス「メルチャリ」の利用などに使える他、加盟店での支払いなどオフラインでも利用可能にするという。サービス開始時期は「今期中」(小泉文明社長兼COO)としている。
小泉COOは「他のサービスでは銀行口座など“お給料情報”を利用するが、メルペイではメルカリで物を売って得たお金も使えるのが特徴。このループが回れば回るほど、メルカリで物を売ろうという人も増えると思う」と話す。「1000万人以上の月間アクティブユーザーから、300億円以上の売上金が入ってくるのがメルペイの強み。既存の決済手段ではない“新しいお財布”というポジションができることが重要だ」
サービス提供時期は「今期中」(18年7月〜19年6月)と話すにとどめた。現時点では決済手段や手数料など確定していない部分も多いという。
キャッシュレス決済サービスには、楽天やLINE、ヤフーなど大企業が続々と参入している。その多くはQRコードなどを使ったコード決済サービスだが「メルペイがQRコード決済かどうかはまだ決まっていない」(メルカリの広報担当者)。手数料も「しかるべきタイミングで説明する」(小泉COO)としている。
関連記事
- 「テクノロジーが世界展開の武器に」 上場のメルカリ、山田CEOが描く未来図
「日本を代表するテックカンパニーになる」――メルカリの山田進太郎会長兼CEOはそう繰り返す。6月19日に東証マザーズに上場したメルカリにとって「テクノロジーが世界展開の武器になる」という。 - メルカリ子会社のメルペイ、新会社「メルペイコネクト」設立 サービス提供開始に向け加盟店拡大
メルカリ子会社のメルペイが、100%子会社の「メルペイコネクト」を7月2日付で設立。メルペイが提供を予定している金融サービスの加盟店を増やし、利用基盤拡大を進めるという。 - ソフトバンクとヤフー、コード決済サービス「PayPay」を秋に開始 ヤフーの「コード決済」は終了へ
ソフトバンクとヤフーは、コード決済サービス「PayPay」の提供を秋に開始すると発表した。両社が設立した合弁会社・PayPayを通じて日本全国に展開する。ヤフーで提供している「コード支払い」はPayPay提供開始に伴って終了。 - モバイル決済サービス「LINE Pay」、LINEポイントで支払い可能に LINE Pay残高への交換不要
メッセージアプリ「LINE」から利用できるモバイル決済サービス「LINE Pay」で、LINEポイントを使った支払いが可能になった。LINE Pay残高へ交換する手間なく、1ポイント1円として利用できるという。 - 野球スタジアム観客席のドリンク販売、QRコード決済で 楽天が国内初
楽天が決済サービス「楽天ペイ」を「楽天生命パーク宮城」の観客席でのドリンク販売に導入する。売り子が首から提げたQRコードをスマホアプリで読み取り、金額を入力して決済する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.