「1人の役職員が33億円を管理」 仮想通貨交換業者の実態、金融庁が明らかに
金融庁は、仮想通貨交換業に新規参入する事業者の登録審査を厳しくする。既に登録している業者やみなし業者のデータを調べたところ、少ない役職員で多額の利用者財産を管理しているといった実態が浮き彫りになった。
金融庁は、仮想通貨交換業に新規参入する事業者の登録審査を厳しくする。既に登録している業者やみなし業者のデータを調べたところ、少ない役職員で多額の利用者財産を管理している――といった実態が浮き彫りになった。そうした事業者のモニタリングを継続する一方、新たに登録を目指す事業者への対応を強化する。
同庁が8月10日に公開した資料によれば、登録業者13社とみなし業者4社の会社規模(総資産)は、直近1年間で6928億円(前年は1061億円)と急成長していた。しかし登録業者とみなし業者32社が提出したデータによれば、75%の事業者が「20人未満」の役職員で運営しており、1人当たり平均33億円を取り扱っていることが分かった。
同庁は「主にみなし業者は、昨年秋以降、取引が急拡大する中、内部管理体制の整備が追い付いていない」と指摘する。立ち入り検査の結果、取り扱う仮想通貨の利便性や収益性のみが検討される一方、セキュリティやマネーロンダリングのリスクの評価が不十分だったり、業務量に対してシステム担当者が不足していたり――といった課題が見つかったという。
今後、新規登録を申請している事業者には、ビジネスプランや内部管理体制の整備状況について、書面での確認を充実させる他、現場での検証や役員へのヒアリングを強化。登録後の早い段階で立ち入り検査を行うとしている。
一方、登録済みの業者に対しては、細やかなリスク評価を頻繁に行うように求める他、順次立ち入り検査を行う方針だ。業務改善命令を出しているみなし業者には、改善報告の内容を基に登録可否を判断する。
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