「RPAは魔法のツールじゃない」 年間8500時間を削減、リクルートはロボットに何をさせた?(3/3 ページ)
ロボットを活用して業務プロセスを自動化するRPA(Robotic Process Automation)。RPAで年間8500時間の工数削減に成功したというリクルートは、ロボットにどんな業務を代行させているのか。
AIで「判断」も自動化 営業部への横展開も
リクルートは、ルールベースRPAによる作業の自動化の次のステップとして、AIを組み合わせている。
AIは、月数万件発生する支払い・経費などの出金処理のチェックに活用。取引先、品目、金額、組織コードといった項目を確認し、経理処理の妥当性を確認している。
立て替えなどのミスがあると「再仕訳」というステータスになる。これまでルールベースで行っていた再仕訳のフィルタリングを、機械学習に置き換えた。時期や金額、担当者などの情報を基に、AIが自動で「これは確認すべき」と判断した案件をスコアリングして振り分ける。
これにより、従来ルールベースRPAで月平均5000件ほどに絞っていた要確認案件は、AI導入後に約1000件程度まで減らせる見込みだ。それを人間が目視して、再仕訳するものを約80件に絞り込むという。全体的な工数削減により、作業負荷の大幅な軽減が期待できる。
AI開発を行う堀江伸太朗さん(ITソリューション統括部 データイノベーション推進部 データサイエンスグループ)は、「今回のAIは、判別結果と一緒にその根拠(AIがその結果を導き出した理由)も出すようにしている。人間は機械が出す結果に納得できない。経理というリスクある業務なので、判断と一緒に解釈を表示するようにした」と話す。
今後はAIに任せる業務を増やしたり、RPAを使う部署を広げたりすることを視野に入れている。赤塚さんは、「いろいろな部署にヒアリングしているが、受注登録などはルーティンなので営業部でも活用できるかもしれない」と話す。常にロボットが代替できる作業がないか目を光らせ、グループ全体で効率化を図る考えだ。
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