AndroidスマホのOSアップデート、なぜ遅い? ソニーモバイルが解説
ソニーモバイルコミュニケーションズが、AndroidのOSバージョンアップを行うプロセスをインフォグラフィックで公開した。
ソニーモバイルコミュニケーションズは8月16日(米国時間)、AndroidのOSアップデートをスマートフォンに配信するまでのプロセスを解説するイラストをグローバルの公式ブログで公開した。配信までに数々の検証を行い、SNSなどを監視してフィードバックを集めるという。
Androidデバイスを使うユーザーの間では、「GoogleがAndroidの新バージョンを公開してから、各メーカー製のAndroidデバイスにアップデートが配信されるまでの期間が長い」との指摘が以前からあった。公開されたイラスト(インフォグラフィック)によると、同社がOSアップデートを実施するまでのプロセスは次の通り。
第1フェーズ:育てる
GoogleがAndroidの新バージョンをリリースする数週間前に、デバイスの開発、最適化、テストを行うための開発キット「Android PDK」(Platform Development Kit)がソニーに送られてくる。同社のエンジニアは、それらを自身の開発環境にインストールする。
続いて、OSの新バージョンが発売済みのスマートフォンに適用できるかを検証する。デバイスによって異なるSoC(System on a Chip:CPUやGPUなどを統合したチップ)を搭載しており、組み合わせによっては正常に動作しない可能性があるためだ。
さらに電話やメッセージ、ネット接続など、スマートフォンの基本機能が新バージョンでも正常に動作することを検証した後、ソニー独自のロック画面、連絡先、メディアプレイヤー、アルバム、カメラ、省電力モードなどの機能やアプリを組み込む。
アップデートをデバイスに提供する準備が整ったところで、動作テストのフェーズに入る。テスターからのフィードバックを通じて、新バージョンを適用したデバイスが日常的な使用で問題なく動作するか確認する。これらのテストは、社内から社外のテスターまで徐々に範囲を広げていく。
第2フェーズ:認定と承認
Wi-FiやBluetoothなど、規格化された技術基準をハードウェアが満たせるように、デバイスの品質やパフォーマンスを確保するためのチューニングを施す。同時に、ユーザーサポートを行うコールセンターなどのスタッフが新バージョンに関する機能や使い方を学習し、テストしながらフィードバックを行う。
これらの工程を経て、全ての公的認証を取得した後にOSアップデートをユーザーのスマートフォンに配信する。配信後も自社のサポートフォーラムやSNSを監視してユーザーからのフィードバックをチェック。ここで得たフィードバックは、今後のマイナーアップデートに役立つという。
米Googleは、6日に「Android 9 Pie」の正式版をリリース。現時点では、Googleオリジナル端末のPixel、Pixel XL、Pixel 2、Pixel 2 XLと、Essential Phone PH-1で利用できる。Xperiaシリーズも11月から順次アップデートを行う予定だ。
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