「AIが犯罪を予測する世界」が危険なワケ(1/5 ページ)
月9ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(フジテレビ系列)が面白い、と私の周りで盛り上がっています。「AI(人工知能)の本を書いている人として感想を聞かせて!」と勧めれられたので私も見始めました。
しかし、どうにも“コレジャナイ感”が拭えません。
ドラマでは、「AIを用いて未来に起こる凶悪犯罪を防ぐチーム」を中心に物語が展開します。「絶対零度」といえば、林ゆうきさんのミステリアスで荘厳な音楽を背景に、上戸彩さんが活躍するドラマとして2010~11年に放映されていたのを覚えています。今作はSeason3として、主人公を沢村一樹さんに変えて放映しています。
ドラマ内のAIは通称「ミハンシステム」と呼ばれ、経歴や職業だけでなく、金融機関の出入金記録、通信履歴、位置情報、ライフスタイルなどありとあらゆる個人情報を基に、過去15年分のさまざまな犯罪データと照らし合わせ、統計学的に近い将来、罪を犯す人物を割り出してくれます。
全てのデータを掌握し、危機を察知する。そういう意味では、ミハンシステムは米国CBSで放送されたテレビドラマ「PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット」に登場する“マシン”に似ていなくもありません。
それにしても、ほんの数カ月前に「通信の秘密」問題で世間が騒然としたばかりなのに(関連記事)、フィクションとはいえこうもあっさり法律を真正面から破るドラマが放映されると、さらに「うそ臭さ」を感じるのですが、コレジャナイ感はそれだけが理由じゃありません。
本来活躍すべきAIがあまりにショボいのです。「犯罪の予測と予防」を目的とするAIとしては、はっきり言って子供だましです。
どの辺りにコレジャナイ感を抱くのか。今回はAIを活用した犯罪予測・予防の可能性とその危険性、実際に活躍しているシステムと合わせて説明します。
(※編集部注:以下、ドラマのネタバレがあります)
これってAI? 単なる盗聴・盗撮による監視ではないのか
記事執筆時点(2018年8月13日)で第6話まで見終えましたが、第4話を除いてミハンシステムが危険人物と特定した理由は、人間が見ても「そりゃそうだ」と思ってしまうものばかりです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
2
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
5
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
6
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
7
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
8
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
9
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
10
「漏えい」の一言で素通り客が振り返る──相次ぐ情報流出の中で開幕のセキュリティ展示会 来場者の態度も激変
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR