エキサイト、上場廃止へ 新興ネット企業・XTechが買収
老舗ネット企業・エキサイトがネットベンチャーのXTechの傘下に。XTech子会社がエキサイトの全株式取得を目指し、10日から株式公開買い付け(TOB)を実施する。
ポータルサイトやISPなどを運営する老舗ネット企業・エキサイト(JASDAQ上場)は9月7日、サイバーエージェント元役員が運営するネットベンチャーのXTech(クロステック)の傘下に入ると発表した。XTech子会社・XTech HPがエキサイトの全株式取得を目指し、10日から株式公開買い付け(TOB)を実施。TOBが成功すれば、エキサイトは上場廃止となる見通し。
TOB価格は1株につき875円(7日終値は699円)で、発行済み株式の3分の2以上の取得を目指す。全株を取得した場合の買付価格は約55億円。募集は10月24日まで。
エキサイトはTOBへの賛同を表明。筆頭株主の伊藤忠商事(持ち株比率36.73%)と第2位株主のスカパーJSAT(同19.99%)もTOBに応じる意向だ。エキサイトはXTech傘下でスピーディな経営判断を行い、事業の見直しや新規事業の拡大を進めるとしている。
エキサイトは米Excite子会社として1997年に創業後、伊藤忠商事などの出資を受け、同年から検索サービスを開始。04年にはJASDAQに上場した。ISPやブログサービス、MVNOサービスなどを多角的に事業展開してきたが、近年は業績が低迷し、3期連続営業赤字となっていた。
XTechは、伊藤忠商事を経てサイバーエージェントの取締役を務めた西條晋一氏が18年1月に創業したばかりのネット企業。西條氏は、ベンチャーキャピタルのXTech Ventures同時に創業したほか、スマトロックメーカーのQrioの代表も務めるなど複数のIT企業の経営に関わっている。
西條氏と伊藤忠商事は今年4月下旬、エキサイトの経営について意見交換。「中長期的な事業改善のためには西條氏がエキサイトの経営に参画することが有効」との認識で一致したという。
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