「敵とは何か」 SNSの未来を描く「ガッチャマン クラウズ」のメッセージを解く:アニメに潜むサイバー攻撃(7/7 ページ)
そう遠くない未来、現実化しそうなアニメのワンシーンをヒントに、セキュリティにもアニメにも詳しい内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の文月涼さん(上席サイバーセキュリティ分析官)がセキュリティ対策を解説します。第4回のテーマは「ガッチャマン クラウズ」です。
F: 赤ちゃん。生存のために泣き喚き、ときに相手をたたく。でもそんな赤ちゃんの振る舞いに、多少いらつくことはあっても、多くの人は怒らないでしょうし、「そういうものだ」と思うでしょ。ところが、なぜか大きくなって同じ言葉をしゃべっていると、相手が同じ考えや価値観を共有しているものだと誤解する。どうにも折り合いが付かずに暴れている人も、本質を見通すと理由があるかもしれない。それをつかみ取り与えるのが、たぶん「無敵のヒーローはじめちゃん」の能力であり、制作陣がはじめちゃんの姿を通して、ネット社会に生きる私たちにくれたアドバイスなのかもしれません。
そして「何が敵なのか」「無敵とは何か」に対する明確な答え、通常はネタバレをするのですが、今回は言葉にはしません。ぜひ皆さん考えてください。もしかしたら「怒りについて」みたいな本があなたのNOTEになって、「バード・ゴー!」と唱えれば無敵のヒーローに変心できるかもしれませんよ。そうすると世界をアップデートできるかも。「世界をアップデートさせるのはヒーローじゃない、僕らだ。」ですよ。意味、分かるかなぁ〜?
K: ええ〜!?
F: それと、はじめちゃんがいかにカッツェさんと対峙したのか、ぜひ作品の12話、ディレクターズカット版を見てください。映像を見てもはじめちゃんの行動の意味が分からなかった人たちには、これかなと思うキーワードをお伝えしますので、そのときはググってみてください。ただし、公式のコメントではなく、あくまでも私の意見ですけどね。
K: そのワードとは?
F: 「育て直し」です。ではまた次回。
K: うう、うつつちゃんの気分です。うつうつします……。ところで、何でうつつちゃん、いつもアレなんですかね? 黒いMizug……。
F: そ、それに触れちゃダメぇー!
かわいいイラストで学べる「情報セキュリティハンドブック」
F: 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、皆さんのサイバーセキュリティ意識の向上のために、中高生から大人まで楽しんで学べる「情報セキュリティハンドブック」を、Amazon.co.jpなど国内26の電子書店、スマートフォンアプリ(iOS/Android)で無料配布しています。印刷して無料配布してもよし、趣旨を変えないならば一部を切り出してプリントにして配ってもよし。テレビ番組で使っていただいてもいいですよ。教材に困っている学校の先生方、企業のセキュリティ担当者の方、素材に困っているメディアの方は、活用しやすいかと思いますので、ぜひご覧ください。印刷・製本して配りたい企業や団体の方には、版下原稿をお渡していますので、NISCまでご連絡ください。実費程度ならば印刷して売っていただいても結構です。どこか出版社さん、出版されませんか?
K: アイティメディアはWebメディアですからねぇ。
F: (ジロッ)、なんかアイティメディアが出版元になった紙の本が、Amazonにあるんだけど!
K: アムネジア・エフェクト!
F: (ちっ! 逃げやがった!)無料で提供されているので、ぜひ見てね〜!
ガッチャマン クラウズ
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発売元・販売元:(株)バップ
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