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VRライブの盛り上がり、脳波で測定 桜吹雪で「一体感」演出 芝浦工大
VR空間で音楽ライブを視聴する人の脳波を測定し、盛り上がりの度合いに応じてハートマークや桜吹雪を表示して一体感を演出する――そんな技術を、芝浦工業大学が開発している。
VR(仮想現実)空間で音楽ライブを視聴する人の脳波を測定し、盛り上がりの度合いに応じてハートマークや桜吹雪を表示して一体感を演出する――そんな技術を、芝浦工業大学が開発している。
VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)でライブ映像を見ている人の脳波を、額と耳の部分に取り付けた脳波計で測定する。精神的な盛り上がりに伴って増加する脳波のβ/α比(β波とα波の比率)が一定値を超えると、ライブ映像にハートマークなどの視覚効果を表示する。
実験では、(1)全ての参加者それぞれの視覚効果を画面に表示する方式と、(2)全参加者の平均値が一定以上になると視覚効果を出す方式を、6人(3人1組)で試した。
その結果(1)の方式では、他の参加者とは視覚効果を共有できない従来の方式と比べると「一体感を感じた」というアンケート評価が出た。(2)の方式でも、β/α比の増加のタイミングがそろって視覚効果が出たときには、一体感や達成感を得られたという感想が出たという。
今後は、さらにデータを収集し、システムの改良を進める。研究チームは、場所を選ばずにライブに参加でき、一体感を得られるようになれば、会場不足を解消したり、足が不自由な人や高齢者にもライブ参加を促したり――といった効果が期待できるとしている。
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