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「AI開発ミステリー 〜そして誰も作らなかった〜」 とある大手製造業の怖いハナシ:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(5/5 ページ)
“AIベンチャーで働きながらネットで情報発信しているマスクマン”こと、マスクド・アナライズの新連載がスタート。AI開発のリアルな現状をお届けします。第1回は、AI導入に踏み切ろうとするも、ミステリー小説並の恐ろしい事態になってしまうある大手製造業のお話です(恐らくこの物語はフィクションです)。
エピローグ:そして誰も作らなかった
話は変わって、秋の夜長には読書がおすすめです。ミステリーなどいかがでしょうか? こんな童謡が聞こえてきました。
「10人のAIおじさん」
AIおじさんが10人、「我が社もAI導入」と社長が株主総会で自慢したくて、残り9人
AIおじさんが9人、定年間近で失敗と挑戦を恐れた本社のIT部長が責任回避して、残り8人
AIおじさんが8人、はやりのワードを並べた戦略コンサルタントがプレゼンして、残り7人
AIおじさんが7人、工場のIT担当が忙しい現場にお伺いだけ立てて、残り6人
AIおじさんが6人、工場の頑固職人はAI導入に協力するつもりはなく、残り5人
AIおじさんが5人、大手SIerが慣習とお付き合いでむちゃ振り仕事を請けて、残り4人
AIおじさんが4人、協力会社が実績作りで大手SIerからの仕事を請けて、残り3人
AIおじさんが3人、別の協力会社は営業力がないので出来ない仕事も受注して、残り2人
AIおじさんが2人、AIベンチャーがクラウドソーシングに仕事を発注して、残り1人
AIおじさんが1人、フリーランスエンジニアが音信不通になり、そして誰も作らなかった
私のおすすめするミステリー小説は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」です。
(終わり)
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