トレンドマイクロ、一部のMacアプリで「ブラウザ履歴の収集」明示なし
トレンドマイクロのMac向けアプリが、Apple Storeで非公開の状態になっている。一部アプリが、ユーザーのブラウザ履歴を収集していることを明示していない期間があったという。
トレンドマイクロは10月24日、同社のMac向けアプリがApp Storeから削除された件で、一部アプリがユーザーのブラウザ履歴を収集していることをWebサイト上で明示していない期間があったと発表した。
これまで同社は「Dr. Cleaner」「Dr. Cleaner Pro」「Dr. Antivirus」「Dr. Unarchiver」「Dr. Battery」「Duplicate Finder」という6つのアプリについて、「インストール直前の24時間以内のブラウザ履歴を一度だけ取得していた」「データの収集・使用を(Webサイト上で)明示的に開示している」と説明していた。
しかし同社によれば、Dr. Batteryは、ブラウザ履歴を収集することを9月10日時点ではWebサイト上で明示しておらず、事実を確認後、記載を修正したことが分かったという。
また、6つのアプリのうち、日本国内で提供していたDr. CleanerとDr. Cleaner Pro(日本では『ライトクリーナー LE』『ライトクリーナー』という製品名)の他に、Dr. Battery、Duplicate Finderが9月8日時点で日本向けに誤って公開されていたことも判明した。
同社は「これまでにお客さまから収集したデータの流出は確認されておらず、セキュリティ以外の目的で利用されたことはない」と説明している。
10月25日現在、これらのアプリはApp Storeで非公開の状態が続いている。ITmedia NEWSの取材に対し、同社の広報担当者は「(配信再開について)現在Apple側と調整している」と説明し、非公開となった理由は明らかにしなかった。
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