IoT家電の“脱インターネット”? パナソニックとソフトバンクが実証実験
パナソニックがソフトバンクと共同で「NIDD」(Non-IP Data Delivery)技術を用いた常時接続IoT家電の実証実験を行う。IoTデバイスを狙った悪意のある攻撃を受けるリスクが低くなる特徴がある。
パナソニックは11月1日、ソフトバンクと共同でIoTデバイス向けのLTE通信規格であるNB-IoT(Narrow Band-IoT)技術を用いて常時接続IoT家電の実証実験を行うと発表。ソフトバンクが商用環境での接続試験に成功した「NIDD」(Non-IP Data Delivery)技術を用い、11月から大阪で実施する。
※NB-IoT:Narrow Band-IoT。LPWA(Low Power Wide Area)の一種。180kHz幅と狭い周波数帯でIoT機器向け通信を行う
NIDDは、18年6月に3GPPで標準化を完了したIoT機器向けの通信技術。IP(インターネットプロトコル)を使わないため、IoTデバイスを狙った悪意のある攻撃を受けるリスクが低くなる他、ヘッダー情報などが削減できるため通信時の電力消費が抑えられる。パナソニックのような家電メーカーには、インターネット回線のない家庭に対してもクラウド接続と同様にサービスを提供できるメリットもある。
パナソニックは18年3月にNTTドコモともLPWAを活用したIoT家電の実用化に向けて共同実証実験を行うことで合意している。現在は「LPWAには複数の方式があり、それぞれの特性を見極めている段階」(同社広報)で、NIDDについてはソフトバンク側が紹介し、「実験が行える状態であることが分かったため、実証実験の項目に追加した」としている。なお、今回の実証実験については対象世帯や機器の数など詳細を公表する予定はない。
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