「視覚障害者の父のために」 耳に指を当てて通話できる指輪型デバイス「ORII」発売
スマートフォンと連携し、音声アシスタントを操作できる指輪型デバイス「ORII」の一般販売が始まった。装着した人差し指を耳に当てるだけで、通話やメッセージのやりとりが可能になる。
人差し指を耳元に当てればスマートフォンで通話できる。そんなウェアラブルデバイスが登場した。香港のOrigami Labが開発した指輪型デバイス「ORII」(オリー)だ。実売予想価格は2万3800円(税別)で、12月18日に発売する。
骨伝導技術を活用した指輪型デバイスで、装着した人差し指を耳元に当てると音声が聞こえる仕組み。内部マイクで指を耳に当てたまま通話もできる。
ORIIでできること
ORIIは、専用アプリ(iOS/Android)でスマートフォンやタブレットとBluetooth接続して使う。音声アシスタント(Siri、Googleアシスタント)を呼び出せば、通話だけでなくメッセージの送信や受信したメッセージの音声読み上げも行える。
音声通話は、電話の発着信、LINEやSkypeの着信に対応。メッセージのやりとりはLINEやSMSなどで行える。AndroidアプリはIFTTT(イフト)との連携も可能という。
操作は本体の両側面にあるボタンで行う。2つのボタンを同時に押せば電源が入り、電話がかかってきたら片方のボタンを押して受話できる。通話中にボタンを一度押せば音量が大きくなり、長押しすれば小さくなる――といった具合だ。最大約1時間半の通話が可能で、待受時間は48時間。
記者が実際に試してみたところ、ORIIを装着しただけでは何も聞こえないが、耳元に指を当てた途端、通話内容が聞こえるように。耳の骨に近いところに指を当てた方が、よりしっかりと音声を聞き取れた。
Origami Labのケビン・ウォンCEOは「ORIIはもともと視覚障害者である父のために開発したものだったが、誰にでも使ってもらえるデバイスになった」と話す。一般消費者向けに販売するだけでなく、人前では電話に出にくい百貨店やホテルなどで、従業員の連絡ツールとしての活用も見込む。
今後はORIIの対応機能を増やすだけでなく、ORII本体の改善も進めていくという。「囁き声でも通話やメッセージを送れるようにしたり、ORIIを着けた指を耳に当てたら通話が始まり、下ろしたら通話が切れるといったジェスチャーにも対応できるようにしたい」(ウォンCEO)
ORIIは国内代理店を通してビックカメラ、ヨドバシカメラといった家電量販店、+style、AmazonなどのECサイトで取り扱いを始める。
本体カラーはダークナイト、アーマーレッド、スペースグレー、スターダストシルバーで、それぞれ3サイズ(S、M、L)を用意。サイズごとに大きさの異なる4種類のリングと充電器、充電用のUSBケーブルなどが付属する。
関連記事
- 指輪型デバイス「Ring」一般発売スタート 270ドル
日本のベンチャーが開発した指輪型端末「Ring」の一般発売がスタートした。 - “魔法使い”になれる指輪「Ring」日本上陸 ジェスチャーでスマホや家電をコントロール
指先の動きでスマホや家電を操作できる指輪型ウェアラブル端末「Ring」の一般販売が始まった。 - 親指で操作する指輪型マウス「リングマウス2」 サンワサプライが発売
親指でワイヤレス操作できる指輪型のマウス「リングマウス2」を、サンワサプライが6月20日に発売した。 - 日本人の7割が「人前で音声検索、恥ずかしい」
日本人の7割が「人前で音声検索をするのは恥ずかしい」――KDDIの調査でそんな結果が出た。音声操作は、日本人には“抵抗”もあるようだが、スマートスピーカーの登場で普及につながる可能性も。 - ほぼ無音の「吸った声」で音声認識 マイクロソフト研究
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.