コラム
CESの主役は「次世代モビリティ」、そして「オープンイノベーション」だった:CES 2019(3/3 ページ)
多くの企業が「オープンイノベーション」の旗印のもとに集まり、知恵を絞っている。とくに熱気を感じたのがモビリティ関連のブース。デンソーやホンダ、ヤマハ発動機など国内メーカーも例外ではない。
ホンダはロボティクス分野でもオープンイノベーション推進
オープンイノベーションを全面に押し出したのがホンダ。2年前の「CES 2017」でオープンイノベーションの推進を宣言した同社は今年、「研究開発の促進と事業化に向けたパートナーを募る」とさらに前のめりの姿勢でCESに臨んだ。既報の通り、展示ブースには人や障害物を避けながら移動するロボット「Honda P.A.T.H. Bot」(パスボット)や自律移動モビリティ「3E-D18」などを展示。モビリティにロボティクスの分野も併せてパートナーを募っていた。
協業による成果の発表も見られた。例えばパナソニックは2015年にアメリカのコロラド州デンバーで開始したスマートシティプロジェクト「CityNow」に関連し、米QualcommやFordとのパートナーシップによってセルラーV2X(通信技術を活用して車とあらゆるもの=Vehicle to Everythingをつなぐ技術)の実証実験を開始したことを発表している。
パナソニックはアメリカのコロラド州デンバー市とともにスマートシティのプロジェクト「CityNow」を実施中。プレスカンファレンスのステージでは新たにクアルコムとフォードモーターとパートナーシップを組んでセルラーV2X(通信技術を活用して車とあらゆるもの=Vehicle to Everythingをつなぐ技術)の実証実験を開始したと伝えた
さまざまな企業が次世代モビリティに関連する展示を行い、広大なホールを埋め尽くしたCES 2019。来年以降のCESでは、新たなオープンイノベーションによって生み出された新しいモビリティや関連サービスにも出会えることだろう。もちろん自動車分野だけではなく、家電を含むエレクトロニクス分野への波及も期待したい。
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