Vogue Businessが、Appleの直営店担当上級副社長のアンジェラ・アーレンツ氏へのインタビューを掲載している。
インタビューは、Apple Storeとして改装中のアメリカ国家歴史登録財であるカーネギー図書館で行われた。
アメリカでは、2017年に1万店舗もの小売店が閉店し、世界中の小売業者はオンラインショッピングと競争し、顧客獲得の方法を模索している状況となっている。
18年前にスティーブ・ジョブズ氏は「あなたの仕事は売ることではない。教育というものを通し人々の生活を豊かにすることだ」と話したとアーレンツ氏。
体験型小売りに力を入れているのはAppleだけでなく、Urban Outfitters、Reel Mallなど経験と人との繋がりを提供する素晴らしい店舗があるが、Appleと同じレベルの規模や野心を持った体験型小売りをしている企業はなく、「人間には今もなお人が集う場所が必要だ」とアーレンツ氏は考える。「デジタルネイティブにサービスを提供するとき、彼らが何よりも切望するのは人のつながりであり、アイコンタクトだ」と話す。
「小売りの悲劇とは数字ありきになってしまったことで、繁栄のためには人や環境への投資よりもコスト削減重視となるが、大きいことばかりが良い訳ではない」
アーレンツ氏はAppleについて、「小売業では、電話は私たちの最大のカテゴリーではない」と話す。「実際にはMacの会社としてナンバーワンなのだ」と語っている。
他の小売業界とは反対に、毎日の売上高よりもAppleの店舗が自社ブランドに与える影響を重視しており「全てのものを一線上のものと見ない、これをAppleは守るべきだ」とアーレンツ氏は語っている。
「1つの店舗の利益率や1つのアプリ、オンラインビジネスの利益率だけを見るのは間違いで、全部を考慮しないといけない。つまり1人の顧客、1つのブランドという風に。顧客がどのように実際に来て買うかは問題ではなく、1つの利益と損失と見るべきで、これが問題点である。会社は1店舗単位で見て利益が出るようにと営業努力をしている」とアーレンツ氏。「1人がインターネットで購入するとその売り上げはネット上のもので店舗に反映されないが、店舗では販売に伴う様々な仕事をしている。このことは違う視点で考える必要がある」と話している。
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