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「意味のない法改正」「イラスト界が壊滅する」 違法ダウンロード対象拡大で漫画家らが“反対集会”(2/2 ページ)

違法ダウンロードの対象拡大について、識者らが実質的な“反対集会”を開催。漫画家の竹宮惠子さんや赤松健さんらが意見を述べた。

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「意味のない法改正」「実効性に疑問」 法学者の見解

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法学者の大屋雄裕さん(慶應義塾大学教授)

 「法律としての実効性があるのか、そもそも法律にする必要があるのか。法が何のためにあるのか真剣に考えていただきたい」――大屋さんは法学者の視点で疑義を唱える。

 大屋さんは、12年の法改正で映画と音楽の違法ダウンロードが刑事罰化された後も検挙例がなかったことを指摘。「政府は抑止効果があったと言っているが、客観的な証拠はない。実効性がない法改正は意味がなく、法への信頼を損なうのでやめるべき」とし、「自由と責任を分配するという法固有の領域である必要がないなら、広報なり補助金政策で対応すればいいだろう」と説明する。

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中間まとめの概要
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客観要件
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主観要件

 今回は不特定多数を対象にしたインターネット上の「自動公衆送信」や「デジタル方式の複製」などが対象となるが、漫画村のようなストリーミング方式で閲覧・視聴できる海賊版サイトや、印刷物、印刷物のスキャンなどは含まれない。これについても「漫画をダウンロードさせないタイプの海賊版サイトには効果がなく、印刷物はOKなどの基準にも疑問が残る」と話す。

 また、静止画やテキストなど違法ダウンロードの対象が拡大していくと、インターネット利用者のほとんどが意図せず法を犯してしまう可能性が起こり得る。大屋さんは「日本の警察がこれを悪用しないと信じているが、刑事事件なら捜査当局がとりあえず怪しい人を捕まえ、別件で捜査を行うといった可能性もあり得る」と懸念をもらす。

 文化審議会の小委員会は2月5日、海賊版サイト対策に関する最終報告書をWebサイトで公開。刑事罰を科す対象を有償著作物に絞り、「悪質な行為」に限定するよう求めている。

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