ニュース
折り紙参考にしたロボットハンド、MITが開発 ワイングラスも割らずに持てる
米マサチューセッツ工科大学のコンピュータ科学・人工知能研究所が、折り紙を参考に作ったロボットハンドを発表した。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)は3月14日(現地時間)、つかむ物に合わせて円すい形のグリップ部分が伸縮する「Origami Robot Gripper」を発表した。「マジックボール」と呼ばれるボール状の折り紙の構造を参考に開発したロボットハンドで、りんごやワイングラス、南京錠、スマートフォンなど、さまざまな形状の物体をつかめる。
マジックボールは、長方形の紙に細かい折り目をたくさん付けてたたむことで、伸縮可能な球体を作る折り紙の作品。ロボットハンドのグリップ部分にマジックボールの構造を参考にした骨格を取り付け、ゴム風船や薄い布で覆った。
つかみたいものにグリップ部分をかぶせ、内蔵した真空装置で内部の空気を抜くことで、吸うように持ち上げられる。実験では、4ポンド(約1.81キロ)以上のボトルを傷つけることなく拾えたという。
動画が取得できませんでした
YouTubeで公開している動画
Origami Robot Gripperは米ハーバード大学のヴィース研究所との共同研究。同大学のロバート・ウッド教授は「ロボットハンドの構造の特徴は単純であること。必要に応じて新しいグリップをすぐに試作できる」とコメントしている。
関連記事
- 人の手をヒントにした新構造ロボットハンド、NEDOなどが3種を試作 紙でも作れる
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、ダブル技研、都立産業技術高専の3者がロボットハンド用の新構造を開発。人間の手を模倣したものや、産業用の3本指のもの、紙だけで作ったものなど3種のロボットハンドを製作した。 - 脳波でロボットアームを操作、“3本目の腕”に ペットボトルつかむ実証実験
人間が動作を思い浮かべると、ロボットアームを“3本目の腕”として操作できる――脳波を測定する装置を使ったそんな手法を、国際電気通信基礎技術研究所が開発した。 - 卵をつかみ、片手で2キロのボトルを持ち上げるロボット「MELTANT-α」発表
メルティンMMIは、パワフルで細かな動きができる「手」が特徴のロボット「MELTANT-α」を発表した。 - ロボットアームが「ビール注ぐ」 まるで天国のよう 国際ロボット展で
国際ロボット展に瓶ビールをコップに注いでくれるロボットアームが展示されている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.