ニュース
批判覚悟の「ピエール瀧出演作」公開を好感? 東映の株価、社長の心配に反し上昇:「麻雀放浪記2020」
3月20日の東京株式市場で東映の株価が上昇した。東映は同日、麻薬取締法違反で逮捕されたピエール瀧氏が出演する映画「麻雀放浪記2020」を予定通り4月5日に公開する旨を発表。東映の多田憲之社長は「少々株価が落ちるかな」と危惧していたが、市場には好感されたようだ。
3月20日の東京株式市場で、麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧氏が出演する映画「麻雀放浪記2020」の公開を決めた東映(東証1部)が上昇。前日終値比190円高(+1.3%)となる1万5000円で取引を終えた。
昨今は「出演者が罪を犯すと、映画はお蔵入りになる」という“自粛ムード”が根強いが、東映は「作品に罪はない」という考えに基づいて公開を決めたという。
ただ、世間から批判を浴びる可能性は否定できないため、東映の多田憲之社長は20日に開いた会見で「少々株価が落ちるかな」と危惧していた。
だが多田社長の予想に反し、同作品の公開決定が伝わった午前10時前後から株価は上昇。午後の取引開始時にやや下げる場面はあったが、その後は右肩上がりに推移した。
ネット上には東映の方針に否定的な意見もみられるが、「忖度(そんたく)しすぎの世の中に一石を投じた」などと高評価する声も多く挙がっている。市場も、同社の批判覚悟の決断を好感したといえそうだ。
関連記事
- 東映、ピエール瀧出演「麻雀放浪記2020」ノーカットで公開へ 「作品無罪」で自粛ムードに屈さず
東映が、麻薬取締法違反(コカイン摂取)の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧氏が出演する映画「麻雀放浪記2020」を予定通り4月5日に公開すると発表。「ファンのためにならない」「作品に罪はない」という考えに基づいたという。東映の多田憲之社長、同作品の白石和彌監督が会見を開き、経緯や心境を語った。 - タレントの薬物問題に、企業はどう対応すべきか
ピエール瀧さんの逮捕を受け、多種多様な企業がその対応に追われている。CMや広告はすべてお蔵入りになったわけだが、役者やアーティストとして関わっている作品まで自粛すべきなのか。この問題に対して、筆者の窪田氏は……。 - 発売中止の作品まで…… アニメの“円盤”は消滅するのか?
アニメのBlu-rayやDVDの売り上げが減少している。動画配信サービスの普及が要因。ただ配信終了した作品は見れなくなるため揺り戻しの可能性も。 - なぜ「スガキヤ」は中京圏で繁栄した? 「だし」の哲学と強固なビジネスモデル
中京圏で熱烈に愛される「スガキヤ」。ラーメンとソフトクリームの2枚看板で成長してきた。地元で熱烈に支持される理由とは? - “売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。しかも、20年も売れ続けていて……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.