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狙われるIoT機器、どう守る? 「点検ポイント」まとめたチェックシート登場:ITの過去から紡ぐIoTセキュリティ(2/2 ページ)
インターネットとIoTを安全に、適切に利用する際に留意すべきポイントをまとめた2つの文書を紹介。
JSSEC IoTセキュリティチェックシート 第二版は、一般企業がIoTを利用・導入する場合に検討すべき事柄、60項目を網羅的にまとめたもので、JSSECのWebサイトから無償でダウンロードできます。PDF版だけでなく、文字通りチェックシートとして使えるExcel版も用意されているのが、いかにも日本企業向けですね。
実際にチェックシートを見てみるとお分かりになると思いますが、第二版は、米国立標準技術研究所(NIST)のサイバーセキュリティフレームワークを意識し、「識別」「防御」「検知」「対応」「復旧」という5つのフェーズごとに、組織として準備すべき役割やワークフロー、確認しておくべき窓口や設定項目、ルールを細かく網羅しています。たたき台として活用するのには十分ではないでしょうか。
JSSECはこのセキュリティチェックシートを、「IT側とOT側(Operational Technology)の共通言語となることで両人材の交流・育成を強力に推進する」ために活用してほしいと位置付けています。チェックシートと同時に「解説編」の文書がβ版として公開されていますが、こちらも参考になりそうです。
あれが危険、これが危険というニュースをチェックするのも大事ですが、それに振り回されて右往左往する時期はそろそろ脱しなければいけません。足元を固め、適切にIoTを活用するための文書やリファレンスが、この先、ますます充実することを期待したいと思います。
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