「後発だが勝算あり」 コード決済「au Pay」4月9日スタート 最大26.5%ポイント還元も
4月9日にコード決済サービス「au PAY」がスタートする。乱立するコード決済サービスで勝算は?
KDDIは4月4日、コード決済サービス「au PAY」を9日に提供開始すると発表した。専用アプリに表示したバーコードやQRコードを使うコード決済サービスで、独自の対応店舗の他、「楽天ペイ」「メルペイ」に対応する店舗でも使える。利用した金額の最大26.5%をポイント還元するキャンペーンも開催する。
プリペイドサービス「au WALLET」のアプリをリニューアルして提供。アプリに登録している「au WALLET プリペイドカード」の残高もau PAYの残高として使える。他人のWALLET 残高への送金機能や、自身のじぶん銀行口座への払い戻し機能も備える。
au PAYは現時点ではauユーザーのみ使えるサービスだが、今後は他社ユーザーも使えるようにする。
決済時のポイント還元は最大で26.5%ポイント
au PAYで決済すると、200円(以下、税込)の利用ごとに1ポイント(0.5%相当)、auスマートパスプレミアム会員向けには3ポイント(1.5%相当)をau WALLET ポイントで還元。WALLET ポイントをWALLET 残高にチャージすることで、「1ポイント=1円」として使える。
WALLET 残高のチャージはWALLET ポイントの他、クレジットカード、ローソンとauショップの店頭でチャージできる。今夏にはセブン銀行ATMや、翌月の携帯料金と合算して支払える「auかんたん決済」にも対応する。
15日以降には「au WALLET ポイント つかえる!たまる!キャンペーン」として、ポイント付与増額キャンペーンも行う。期間中にWALLET ポイントをWALLET 残高にチャージするとチャージ分の10%を増額。
食べログに掲載された対象店舗でau PAYを使うと利用額の5%をポイント還元、毎月で3の付く日付(3・13・23日)には、auスマートパスプレミアム会員向けに利用額の20%ポイント、au契約者には5%をポイント還元する。これらを組み合わせることで最大26.5%ポイント還元となる。
au PAYが使える店舗は、日本全国のコンビニエンスストアやドラッグストア、家電量販店、飲食店など。食べログと共同で加盟店を拡大する取り組みも行う。
コード決済で後発のau、勝算は?
コード決済サービスは、他社の「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」などが既にスタートしており、au PAYは後発となる。KDDIの中井武志副本部長(ライフデザイン事業本部 新規ビジネス推進本部)は、au PAYに2つの勝算があると話す。
「1つはお客さまがすぐに利用できる環境が整っていること。新たにアプリをダウンロードしたり、残高に(クレジットカードなどから)チャージしたりといった登録作業が少ない。さらにWALLET ポイントを1000ポイント以上保有するユーザーは1400万人超、1万ポイント以上の保有者は約100万人。全体で1000億円超(全auユーザーのWALLET チャージ残高とWALLET ポイント合算、2月時点)となる。(他社に比べても)秀でているのではないか」(中井副本部長)
モバイル向け決済サービスは、使える対応店舗を増やすことも提供各社の課題だ。au PAYは自社で開拓した加盟点の他、楽天ペイとメルペイと連携し、いずれの対応店舗でもau PAYを使えるのが強みとしている。
「インフラの整備はパートナーシップを使ってオープンにやっていければと考えている。自社の営業アセットもあるので、うまく活用することで十分に戦っていける」(中井副本部長)
KDDIの東海林崇本部長(取締役執行役員専務 コンシューマ事業本部)は、サービスは後発となったが、KDDIは金融に一番取り組んでいる会社であると胸を張る。
au PAYの独自機能として、WALLET ポイントを使って投資の疑似体験ができるという「au WALLET ポイント運用」(9日から)や、WALLET 残高にチャージして1万円から借入できる「au WALLET スマートローン」(4月下旬)も提供する。
「(KDDIは)通信とライフデザインの融合を目指している。生活に欠かせないのが金融の分野。これまでに携帯電話番号で振り込める『じぶん銀行』や、(au WALLETの)プリペイドカード、クレジットカードなどを提供してきた。au経済圏を拡大し、スマホ決済に昇華していく。スマホ決済の体験価値を高めて、スマホ金融を広げていきたい」(東海林本部長)
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