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「au PAY」「d払い」「PayPay」還元合戦の裏にある狙い(1/2 ページ)

KDDIの「au PAY」が4月9日にスタート。最大26.5%のポイント還元キャンペーンも展開する。PayPay、d払いも「20%還元」キャンペーンを実施し、“還元合戦”の様相を呈してきたが、各社の狙いは異なるようだ。

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 KDDIがモバイル決済サービス「au PAY」の提供を4月9日に始める。後発ながら、利用額の最大26.5%をポイントで還元するキャンペーンを展開し、他社サービスを追撃する。モバイル決済では、ソフトバンクとヤフーが共同出資する「PayPay」、NTTドコモの「d払い」ともに「20%還元」のキャンペーンを実施。通信キャリア3社が関わるモバイル決済が出そろい、横並びの“還元合戦”の様相を呈してきたが、その狙いはそれぞれ異なるようだ。各社の強みと目的を整理する。

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au PAYは「au WALLET アプリ」をリニューアルして提供する

“埋蔵金”1000億円を掘り起こすau PAY

 au PAYは、バーコードやQRコードで決済するという点は他サービスと変わらないが、既存の「au WALLET アプリ」をリニューアルして提供するのが特徴。月間約900万人というau WALLET アプリのアクティブユーザーをそのまま取り込めるというアドバンテージがある。残高へのチャージは、クレジットカードとひも付ける方法以外にも、auユーザーがためてきた「WALLET ポイント」を「1ポイント=1円」として使える。

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 KDDIの中井武志副本部長(ライフデザイン事業本部 新規ビジネス推進本部)は「WALLET ポイントを1000ポイント以上保有するユーザーは1400万人超、1万ポイント以上の保有者は約100万人。全体で1000億円超になる」と説明。これまで通信料金や端末購入代金の支払いなどにしかポイントを利用していなかったauユーザーが、コンビニや飲食店などでの支払いにも使うようになる――という“埋蔵金”の有効活用が見込めそうだ。

 昨年4月に就任したKDDIの高橋誠社長は、同社の目標として「通信とライフデザインの融合」をさかんに言い続けている。通信サービスを入り口として獲得した顧客に、金融などの周辺サービスも提供できれば、新たなビジネス機会の創出につながる。au PAYのスタートに合わせ、スマートフォンで1万円から借り入れが可能な「au WALLET スマートローン」も4月下旬から提供する。いずれはauユーザー以外にも関連サービスを開放。“au経済圏”の拡大に向け、サービスの充実を図っていく。

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