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「神様ドォルズは我々組織が頂いた!」 旧作アニメの“ドメイン跡地”に不審な表示 問われる企業のリスク回避策

アニメの公式サイトに使われていたドメインの跡地に、不審なWebサイトが表示されている。4月に発生した「ラブライブ!」公式サイト乗っ取りと同じ手口だ。

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 2011年に放送されたアニメ「神様ドォルズ」の旧公式サイトで使われていたドメインで、5月1日ごろから不審なWebサイトが表示されている。サイトを開くと「神様ドォルズは我々組織が頂いた!」といったテキストが表示され、別アニメ作品の公式サイトにリンクが貼られている。4月に起きたアニメ「ラブライブ!」の公式サイト乗っ取りと同様の手口だ。

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神様ドォルズの旧公式サイトを開くと、こんなページが表示される

 神様ドォルズの公式サイトは現在、テレビ東京のWebサイト配下に移行している。問題のドメイン「kamisama-anime.jp」を使った旧公式サイトは、WebサイトのアーカイブをたどれるInternet Archiveによれば15年12月ごろに公開を終了しており、関連会社は同ドメインを手放していたようだ。

 問題のドメインの“跡地”は16年夏ごろ、第三者の手によって再び取得され、アフィリエイト目的とみられるWebサイトが運営されていたが、しばらくして放置状態になっていた。ドメイン情報を確認できるWHOISによれば、ことし5月1日にジェラルディン・フレデリック・ハイアームスを名乗る人物に同ドメインの所有権が移っている。

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旧ドメインで運営されていたアニメ「神様ドォルズ」の旧公式サイトのアーカイブ
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WHOISを確認すると、5月1日に旧ドメインが取得されていることが分かる

 その後、新たに公開されたページは、4月に発生したラブライブ!の公式サイト乗っ取りの状況と酷似しており、同一人物か、模倣した第三者によるものとみられる。Webサイトに書かれた声明によれば、今回も同様に「ドメイン移管」プロセスの穴を突いて、同ドメインを得たという。

 今回は「アニメの公式サイトは別にあり、既に使われていない」「放送終了から時間がたっている」「アニメの関連キーワードで検索しても、旧公式サイトは検索エンジンの結果に表示されない」といった理由から、SNSなどで話題になることもなく混乱は起きていない。

photophoto 「神様ドォルズ」の旧公式サイトで公開されたテキスト(左)と、4月に発生したライブライブ!公式サイト乗っ取りの状況(右)

 ドメインはネット上の住所とも表現されるが、手放されたドメインで関係のない別サイトが公開される問題は以前からあった。著名な作品やブランドのドメインは、所有者が変わっても、これまでの被リンク数や知名度がそのまま引き継がれ高い価値を持つこともある。そのため、ドメイン“跡地”の価値を利用して、フィッシング詐欺などに使われる可能性もゼロではない。

 無用なトラブルに巻き込まれるリスクを回避するためにも、特に法人のドメイン管理体制を見つめ直すことは、決して無駄ではないだろう。

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