「最初はケンカばかりでした」 大手家電メーカー出身の技術者がアイリスオーヤマに集まる理由(1/3 ページ)
家電事業が好調なアイリスオーヤマ。多様な人材が集まる理由を聞いた。
「これまでは新商品のアイデアはあっても、それを実現する技術力がありませんでした。ここに来てようやく両方がマッチするようになってきたんです」――アイリスオーヤマの家電事業部 統括事業部長の石垣達也氏は、こう話す。
大手家電メーカーがグローバル競争に苦しむ中、アイリスオーヤマの家電事業は好調だ。同社の2018年12月期(18年1月〜12月)の業績は、グループ全体で4750億円(前期比13%増)と過去最高を記録し、アイリスオーヤマ単体で見ても1550億円(同9%増)と堅調に推移した。特に家電事業の売上高は810億円(同23%増)と好調で、単体売上高の半分以上を占める。
同社は2009年にLED照明で家電事業に参入し、13年には大阪・心斎橋に家電の開発拠点を開設。大手家電メーカーの早期退職者を集めて技術力を強化し、その後は掃除機、炊飯器、エアコン、ドラム式洗濯機、液晶テレビなど続々とラインアップを増やしている。
石垣氏は同社の開発チームを「さまざまなメーカーの出身者がいる多国籍軍」と表現する。それぞれの背景を持つ技術者が自由に発想することで、IH調理器としても利用できる分離型の炊飯器や、電源ケーブルをコンセントにつないで使用するスティック型掃除機「キャニスティッククリーナー」など、従来の家電の枠にとらわれないユニークな商品も生まれた。
多様な人材が混在する開発チームについて、石垣氏は「最初は思想がぶつかって、けんかばかりでした」と振り返る。しかし、いまでは「若手からベテラン技術者まで幅広い世代が生き生きと働いています」と胸を張る。
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