ぐるなび株が年初来安値、赤字転落予想を嫌気 楽天が増資検討も売り先行
5月14日の東京株式市場で、ぐるなびの株価が急落。競合する飲食店予約サービスが乱立する中で苦戦が続いており、20年3月期は赤字転落を予想している。資本業務提携している楽天が増資を検討しているものの、厳しい状況を嫌気した売りが先行している。
5月14日の東京株式市場で、飲食店情報サイト運営のぐるなび(東証1部)が急落。午前11時23分に前日比90円安(−15.7%)の483円を付け、年初来安値を更新した。午前の取引を終えた時点での株価は86円安(−15.0%)の487円で、値下がり率は全市場で14位。
19年3月期は減収減益
ぐるなびが13日に発表した2019年3月期(18年4月〜19年3月)の通期連結決算は、売上高が前期比9.7%減の327億円、営業利益が74.4%減の12億円、最終利益が81.8%減の5億円と大幅な減収減益だった。
競合する飲食店予約サービスや情報サイトが増加する中で効果的な施策を打つことができず、加盟店への送客率が低下。上半期までは受注件数を上回る解約が発生していた。
対応策として18年7月に楽天と資本業務提携し、ポイントサービスの統合や会員サービスの連携を実施。会員数とネット予約件数の拡大につなげたものの、収益体質の根本的な改善には至らなかった。
20年3月期は赤字転落予想
今後は楽天が追加出資を検討している他、収益性の低い事業の売却・整理、オフィスの一部返却などのコスト削減を進め、飲食店支援事業に経営資源を集中する計画だ。
一方、会員拡大に向けた広告宣伝などに一定額を投資する予定で、20年3月期(19年4月〜20年3月)の通期連結業績は営業損益・最終損益ともに35億円の赤字を見込む。
投資の効果などにより、21年3月期での黒字化を目指す。楽天が追加出資の方針を固めた場合は、テコ入れに向けてぐるなびに経営陣を派遣する計画もあるが、市場では赤字転落予想を嫌気した売りが先行している。
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