「うつむき姿勢は、首に小学生がぶら下がっているのと同じ負荷」 コクヨ、姿勢を改善する新型オフィス向けデスク
コクヨが天板に傾斜を付けられるデスク「UPTIS」を発表した。
「働くことを楽しく快適にしたい」――コクヨの坂上浩三本部長(ファニチャー事業本部)は、新製品のオフィス向けデスクを披露しながらそう話した。同社は5月27日、ノートPCや書類などを置く天板部分を傾けられる「UPTIS」(アプティス)を発表した。6月3日に発売する。価格は13万2000円(税別)から。
座る人の姿勢にあわせて、天板を8段階(最大12度)に傾けられるオフィス向けデスク。傾斜によってノートPCのディスプレイを高い位置に配置できるため、自然とディスプレイを見上げる姿勢になり、首や手首への負担を軽減できるという。
傾けられるスペースの横には、小物を収納したり飲み物を置けるサイドテーブルを備える。オプションでメモやマグネットを貼り付けられるデスクトップパネルやPCディスプレイ台なども用意する。
ノートPCと姿勢の関係
「デスクに向かってうつむいて仕事をしていると、常に小学生が首にぶら下がっているようなもの」──こう説明するのは、首や肩の痛みなどを得意とする、さかいクリニックグループの酒井慎太郎代表だ。
酒井代表によれば、人間の頭の重量は全体重の10%程度といわれており、体重が60キロの人なら頭だけで6キロになる。これは2リットルのペットボトル3本や13ポンドのボーリング球と同じ重さだが、首はこの重さを常に支え続けている状態だ。
さらに首の傾き具合でも負荷は変わる。体重が60キロの人がうつむいた姿勢で頭を前に30度傾けると、首への負担は約18キロ相当、60度傾けると約27キロ相当まで増える。そんな負担を首にかけ続けていると、神経の圧迫や首まわりの筋肉疲労などで椎間板症や頸椎ヘルニア、さらに腰痛や膝の不調などの慢性疾患を引き起こす。耳鳴り、めまい、逆流性食道炎のような内部疾患や、自律神経失調症、脳梗塞、うつ病といった病気の引き金になることもあるという。
コクヨはスマートフォンやPCの普及によってうつむき姿勢が増えたオフィスワーカーに着目し、2年の期間を経てUPTISを開発。ユーザーが自然と姿勢を正せるようにするのが商品の狙いだ。
コクヨの赤松広道部長(執行空間バリューチーム部)は、「ノートPCのスペック向上でオフィスでもノートPCを使う人が増えてきたが、オフィスワーカーの姿勢が悪くなってきた。快適な労働環境を知ってほしい」と話した。
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