日本マイクロソフト、自動運転ベンチャー「アセントロボティクス」と協業 “考えて運転するAI”開発を支援:de:code 2019
日本マイクロソフトが、自動運転ベンチャーのアセントロボティクスと協業。「Mirsosoft Azure」のAI・IoT向けサービスを活用した自動運転技術の開発をサポートする。年次カンファレンス「de:code 2019」の基調講演で発表した。
日本マイクロソフトは5月29日、自動運転車や産業用ロボット向けのAI開発を手掛けるアセントロボティクス(東京都渋谷区、以下アセント)と協業すると発表した。ベンチャー支援プログラム「Microsoft for Startups」にアセントを迎え入れ、「Mircosoft Azure」のAI・IoT向けサービスを活用した自動運転技術の開発をサポートする。
両社の協業は、日本マイクロソフトの平野拓也社長が、年次カンファレンス「de:code 2019」の基調講演で発表。平野社長は「(現在は)インテリジェントなテクノロジーとインテリジェントなクラウドがつながっている状況で、ITエンジニアの皆さまには大きなオポチュニティが待っている」などと話した上で、アセントの石崎雅之代表取締役を壇上に招いた。
アセントは、2016年9月に石崎代表がカナダ人技術者のフレッド・アルメイダ氏と共同創業したベンチャー。世界24カ国からトップクラスの技術者を集め、現在は91人が在籍している。開発を進めているのは、機械学習などを取り入れた“経験から学ぶ”自動運転AIだ。
石崎代表は「現在の自動運転技術は、膨大な時間を掛けてプログラムを組む必要があるものの、柔軟性に欠ける課題がある。人が運転する車や歩行者との共存も難しく、インフラが整備された環境しか走れない」と指摘。
「アセントは、ドライバーが交差点で譲り合うのと同様に、周囲の交通環境を把握して走行できるAIを生み出したい。判断が難しい状況(での運転方法)をAIが学習できるよう、機械学習プログラムには神経科学、物理学、制御モデル、深層強化学習などの考え方を盛り込んでいる」(石崎代表)などと語った。
石崎代表が日本マイクロソフトとの協業に踏み切った理由は、Azureのスケーラビリティの高さや、AI・IoT向けサービスとアプリケーションの充実度を魅力に感じたためという。日本マイクロソフトは今後、技術面だけでなく、ビジネス開拓の面でもアセントを支援。自動運転AIの早期実用化・商業化をサポートしていく。
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