NTPサーバと同期する「NTPクロック」に無線LAN&電池駆動の新モデルが登場 配線不要で掛け時計のように設置可能
セイコーソリューションズが、NTPサーバから配信される時刻に同期し、オフィスや工場で掛け時計などとして使える「NTPクロック」の新モデルを発表。無線LANに対応しており、販売開始は2020年1月の予定。6月12日から千葉・幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2019」にも出展する。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「「NTPサーバと同期する『NTPクロック』に無線LAN&電池駆動の新モデルが登場。配線不要で普通の掛け時計のように設置可能」(2019年6月5日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
セイコーソリューションズは、NTPサーバから配信される時刻に同期し、オフィスや工場で掛け時計などとして使える「NTPクロック」の新モデルとして、無線LAN対応モデルを発表しました(販売開始は2020年1月の予定)。
現在販売中のモデルはいずれもPoE(Power Over Ethernet)の有線LANに対応しており、ネットワークへの接続と給電をイーサネットケーブル1本で対応できる利便性を備えています。
今回の無線LAN対応モデルでは電池駆動になると発表されているため、配線工事の必要が一切なくなり、一般の時計と同様の手軽さで設置が可能になります。
正確な時刻を表示するための時計としては電波時計が一般的で、多くの電波時計は電池駆動のため容易に設置できます。しかしビルの室内や地下など電波が届かないことも少なくありませんでした。
無線LAN対応で電池駆動のNTPクロック新モデルは、こうした問題を解決するソリューションになります。
また、セイコーは以前から放送局、鉄道、工場や病院など、正確な時刻表示が求められる施設向けに「設備時計」と呼ばれる時計システムを販売しています。設備時計はマスタークロックとなる「親時計」と設備内の多数の時計をRS-422などで接続し、施設内の時計が表示する時刻などを集中的に管理する仕組みを備えています。
NTPクロックは、この設備時計をTCP/IPのネットワーク対応にしたものと位置付けられています。NTPサーバを親時計とし、ネットワーク経由で多数の時計の時刻などを集中管理できます。
NTPサーバも提供
NTPクロックを動作させるにはNTPサーバが必要ですが、同社は時刻ソースとしてGPSやテレホンJJY、長波JJY、FM放送などを利用できるNTPサーバ「Time Server」を提供しています。
現行モデルのNTPクロックはこの「Time Server」をNTPサーバとして利用できるほか、パブリックなNTPサーバを含めたあらゆるNTPサーバとNTPプロトコル経由で接続可能であるため、新モデルも同様の機能が備わることが予想されます(追記:セイコーソリューションズによると新モデルも現行モデル同様の機能をもつ予定とのこと)。
無線LAN対応のNTPクロックは、2020年1月より販売を開始する予定。電池でどのくらいの期間動作するのかなどは明らかにされていませんが、「今後、バッテリー寿命の確保などユーザビリティの向上に取り組みます」と発表しています。
また同社は6月12日から千葉 幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2019」でこの新モデルを参考出品することも明らかにしています。
関連記事
- Google CloudやYouTubeの障害は「数台のサーバへの設定変更のつもりが、誤って複数リージョンの多数のサーバに適用されてしまった」 Googleが説明
日本時間の6月3日午前3時45分〜午前7時40分、Googleの米国内ネットワークで障害が発生。Google CloudのCompute EngineやCloud Storage、YouTubeの動作が遅くなったり利用できなかったりした。これについて、Googleの担当者がGoogle Cloudのブログ記事を投稿。サーバの設定変更のミスであったと明らかにした。 - MicrosoftとOracle、クラウドの相互接続で合意 クロスクラウドのシングルサインオン、AzureからOracle Cloud Databaseへ接続など可能に
MicrosoftとOracleが、Microsoft AzureとOracle Cloudの相互接続で合意。クラウド市場で先行するAWS(Amazon Web Services)との距離を詰めるため、両社の強みを組み合わせた提携といえそうだ。 - 日本IBM・山口新社長が抱負語る 「今はまだ通過点。日本社会のデジタル変革をもっと加速させる」
日本IBMの山口明夫新社長が会見を開催。体制のビジョンと注力分野を説明した。今後は「あらゆる枠を超える」をビジョンに掲げ、ITソリューションの展開や、外部との共同研究を推進。社会全体のデジタル変革を目指すという。 - AWSジャパンなど4社、ISV向け「SaaS型ビジネス」参入支援を開始 パッケージソフトのクラウド化を加速
AWSジャパンと有力ベンチャー3社が、SaaS型ビジネスを始めたいISV(独立系ソフトウェアベンダー)やスタートアップを支援する取り組みを開始した。施策名は「Go_SaaS 三種の神器」。「認証・ID管理」「CI/CD」「決済システムの構築」などのサポートを行うもので、2年以内に100社の獲得を目指す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.