国内クラウドサービス市場、18年度は1兆9000億円 今後5年で約2.3倍に
MM総研が国内クラウドサービス市場規模の現状と予測を発表。2018年度の同市場規模は前年度比18.1%増の1兆9422億円で、23年度には4兆4754億円に達する見込み。多くの企業がAWSやAzureを活用しており、企業のPaaS・IaaS導入は今後も続くとみられる。
調査会社のMM総研は6月11日、国内クラウドサービス市場の現状と予測を発表した。2018年度の市場規模は前年度比18.1%増の1兆9422億円で、うちプライベートクラウド市場が18.1%増の1兆3257億円、パブリッククラウド市場が34.1%増の6165億円だった。企業が主要なシステムやアプリケーション基盤をPaaS・IaaSに移行させる動きが目立っており、市場拡大につながっているという。
この動きは今後も進み、クラウドサービス市場は23年度に4兆4754億円に達する見込み。プライベートクラウド市場は2兆8000億円、パブリッククラウド市場は1兆6490億円に成長すると予測している。ただ、オンプレミス型プライベートクラウドの成長率は鈍化する見通しだ。
18年度現在、国内企業が導入しているPaaSは「Amazon Web Services」が47.7%でトップ。以下「Microsoft Azure」(32.8%)、「Google Cloud Platform」(13.2%)、「FUJITSU Cloud Services」(11.1%)、「IBMクラウド」(9.4%)――と続いた。
IaaSのシェアも「Amazon Web Services」が47.1%で首位。以下「Microsoft Azure」(25.6%)、「FUJITSU Cloud Services」(9.5%)、「Google Cloud Platform」(8.6%)、「IBMクラウド」(7.8%)――という結果に。富士通の健闘が目立ったものの、海外ベンダーの寡占が進む状況が明らかになった。
企業はこうしたPaaS・IaaSを「アプリケーション開発基盤の移行」(67.6%)、「自社開発システムの移行」(52.3%)、「Webアプリケーションの移行」(49.1%)、「コンピューティング基盤の移行」(43.9%)などに利用。「今後は複数のサービスを組み合わせ、マルチクラウド化を検討する」と答えた企業も多かった。
PaaS・IaaSの調査は5月7日〜20日にかけてWeb上で実施した。対象は、国内の法人で情報システムやネットワークの管理・運用を手掛ける担当者。事前調査で3万5088人、本調査で1597人に意見を聞いた。
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