画像認識で皿をカウント、スマホで事前注文・決済――客も驚く「スシロー」新型店舗の全容(2/2 ページ)
回転すし店「スシロー」が6月26日から、さまざまなテクノロジーを導入した新型店舗を兵庫県内で運営している。画像認識で皿をカウントする会計システムの他、公式アプリなどで商品の注文・決済を事前に完了させ、店舗のロッカーで商品を受け取れるサービスも採用。顧客からは驚く声が出ているという。
アプリで事前注文・決済
事前決済・注文サービス「自動土産ロッカー」は、テークアウト時に利用可能。顧客が公式アプリですしネタを選び、クレジットカードで事前に決済すると、従業員が予定の時刻までに調理を終え、専用のロッカーに入れておく。顧客は来店後、アプリを立ち上げてロッカーの読み取り機にバーコードをかざすと、扉が開いてすしを受け取れる。
従来は、店舗利用者とテークアウト利用者が列をなし、入り口付近が混雑するケースが多かったが、これを解消する狙い。商品の予約情報などは、AWS上に構築したシステムで管理している。
アプリで注文・決済を事前に終えた顧客に、店舗で商品を提供するサービスは、スターバックス コーヒー ジャパンも6月末から一部店舗で始めている。スタバは、消費増税に伴う軽減税率制度により、10月1日から消費税体系が変わる(テークアウト時は8%、イートイン時は10%)ことに備える目的がある。
一方のスシローは「税制とは関係なく、スムーズにすしを楽しんでもらうために導入した」としているが、今後、こうした取り組みは飲食業界で広がりそうだ。
早いタイミングで関東にも
スシローの新店舗ではこの他、店内のレーンなどを刷新。従来は、従業員が商品を作った後にキッチン内を移動し、すしが足りないレーンに商品を流す必要があった。新店舗ではキッチン内に細かくレーンを配備したため、従業員は目の前のレーンに商品を置くだけですしを流せるようになり、移動時間が短くなった。ドリンクなども、キッチン内のレーンに流すと、注文した顧客のテーブルまで直接届けられるようになった。
従業員と顧客の課題を解決した新型店舗は、開業から数日間で高い評価を得ているという。スシローは「現時点で決まっていることはないが、新型店舗の2号店を早いタイミングで出店したい。関東にも展開できれば」と意欲を見せた。
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