Google日本法人は7月10日、日本でAI人材の育成やAI活用の促進を図るプログラム「Google AI for Japan」を発表した。人材育成プログラムやAIツールの提供、研究の知見共有などを通して、企業の抱える課題や社会問題の解決につなげる。
AI人材の育成支援では、同社の東京オフィスにいるAI研究チームと共同研究できるフェローシップやインターンシッププログラムを提供。また同社は4月から無料のオンライン教材「Grow with Google」を公開しており、AIを学びたい人は誰でも利用できる。
AI研究者向けに助成金も用意した。今回は、国立情報学研究所や京都大学などに所属する6人の研究者が、それぞれ5万ドル(約500万円)を受け取るという。
Googleが公開するオープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow」は、日本国内でも活用事例が増えている。例えば、福島県南相馬市では、ドローン事業を展開するエアロセンスが放射性物質の「除染作業」にAIを活用。取り除いた土壌を保管する「仮置き場」の点検業務に、ドローンの空撮とTensorFlowを使った画像検出アルゴリズムを組み合わせた。Googleは、クラウドサービス「Google Cloud」を使ったAI活用を進めるために、日本企業とコラボレーションしていくという。
AI研究の貢献にも引き続き注力する。東京オフィスのAI研究チームは2018年4月の発足以来、既に10本以上の論文を公開しているという。
同社は、今後も日本のAI開発者や企業、研究機関などと協力しながらAI活用を推進するとしている。
GoogleのAIを統括するジェフ・ディーンさんは「日本でも、社会問題を解決するためにAIを使ってもらえる機会があると確信している」と語った。
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