ニュース
「獺祭」の旭酒造、販売管理システムを「Oracle Cloud」に移行 西日本豪雨の教訓でBCP強化
旭酒造が販売管理システム基盤に「Oracle Cloud Infrastructure」を導入。これまで製造・販売に関する全データをオンプレミスで管理していたが、事業継続計画(BCP)の一環でクラウドへの移行を決めた。
日本酒「獺祭」の蔵元である旭酒造(山口県岩国市)は、販売管理システム基盤に米OracleのIaaS「Oracle Cloud Infrastructure」を導入した。日本オラクルが7月24日に発表した。旭酒造はこれまで製造・販売に関する全データをオンプレミスで管理していたが、事業継続計画(BCP)の一環でクラウドへの移行を決めた。
旭酒造は昨年7月に発生した西日本豪雨で、本社と酒蔵が浸水や停電の被害を受けた。サーバルームは本社の上層階にあったため浸水を免れ、データは消失しなかったが、今後起こり得る自然災害に備え、社内インフラへのクラウド導入を検討していた。
まず日本国内・海外の酒販売店や飲食店が利用する販売管理システムをパブリッククラウドに移行することを検討。複数のベンダーのクラウドサービスを比較した結果、SLA(サービス品質保証)や、事業拡大に対応できる拡張性を評価し、日本オラクルのクラウドを採用したという。
旭酒造は米国での事業拡大も計画しているため、Oracle Cloud Infrastructureが、日本・米国など世界のリージョンで料金体系をそろえている点も評価したとしている。
旭酒造の桜井一宏社長は「北米での日本酒製造事業の挑戦など、さらなる成長に向けたシステム基盤として期待している」とコメントしている。
関連記事
- 「Fate/Grand Order」ユーザー爆増の裏側で、エンジニアが挑んだデータベースとの戦い
スマホゲーム「Fate/Grand Order」を支えるインフラエンジニアが、ユーザーが爆発的に増える中で経験した、データベースの負荷対策を振り返る。 - 琉球銀行、電話システムをクラウドに移行 定年後に復帰した62歳が担当 「まだできる」の声に奮起
琉球銀行が、オンプレミス環境に構築していた電話対応のシステムを、7月からクラウド型の「Amazon Connect」に全面移行。店舗にかかってくる電話を全て同システムに転送し、自動応答で用件を聞いた上で、オペレーターが対応する仕組みを取り入れた。構築したのは、同行を定年退職後に再雇用された62歳の喜納(きな)兼次郎さん。喜納さんに、導入の背景と経緯を聞いた。 - 「君、今日からクラウド担当ね」 未経験者が1人で始めた、ファミマのAWS移行の舞台裏
「AWS Summit Tokyo 2019」のセッションに、ファミリーマートでクラウド移行の責任者を務める土井洋典さんが登壇。土井さんは、前任者が突然退職したため、ある日突然上司からクラウド担当を任された経験を持つ。たった1人でのスタートだったというが、どうやってAWS移行を成功させたのだろうか。 - 近畿大、全教員が「Slack」利用へ “お堅い”やりとりなくす
近畿大学が、全教員向けに「Slack」を導入する計画を発表。まずは建築学部(33人)、薬学部・薬学総合研究所(62人)の教員から利用を始め、他学部に順次展開する。メールなどによる“お堅い”やりとりをなくす狙い。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.