EVでのドライブはフォントとUIの近未来:デジタルネイティブのためのフォントとデザイン(1/3 ページ)
この連載の旅シリーズ、鉄道、空に次いで、今回は車、それも電気自動車(EV)の旅に見るフォントとデザインがテーマだ。
筆者はアラ還なのでクルマ好きが比較的多い世代に属しているのだが、自分の愛車は手放してもう12年。なので旅行や帰省など移動にクルマが必要なときはレンタカーもしくはカーシェアを利用することになる。車両を借りるたびに思うのは、いまのクルマはデジタルフォントとアイコンがコクピットの中にあふれているということだ。そこでパーソナルモビリティの近未来という点から、今回はEVのフォントとデザインを取り上げてみたい。クルマは日産のLEAF。昨年夏に無料試乗で1泊2日の旅に出たときの体験をもとに、EVと充電インフラのフォントとデザインを振り返る。このキャンペーンは2019年も継続中だ。
連載:デジタルネイティブのためのフォントとデザイン
スマートフォンやSNSの普及で、誰もが気軽に情報を発信できるようになった今、「どう発信するか」を考える上で、欠かせないのがフォントやデザインです。「最近ここのフォント変わったな」「このロゴどうやってデザインしたんだろう」と、身近な文字が気になっている人も多いのではないでしょうか。
この連載では、街角やビジネスの現場など身のまわりにある文字をきっかけに、奥深いフォントとデザインの世界をご案内します。いつも使っているスマートフォンやデジタルカメラを片手に、ひとときの「フォントの旅」を楽しんでみませんか。
菊池美範(きくち よしのり)
1980年代末からパーソナルコンピュータをデザインワークに取り入れ、1990年代〜現在までグラフィック、エディトリアルデザインの分野でフォントの適切な使い方にこだわったデザインワークを続ける。「ITmedia NEWS」のロゴの「ITmedia」部分のデザインも担当している。
なお、本記事のベースとなる取材情報は2018年8月時点のものであり、現在の状況とは異なっている可能性があることを予めお断りしておく。
EVやPHV乗りが常に意識する「EV QUICK」マークのフォントとデザイン
ガソリンやディーゼルなどの化石燃料車をドライブしているときは意識することがなく、EV・PHVをドライブするようになって強く意識することになるのが「EV QUICK」マークだ。このサインは急速充電施設のある場所を示すピクトグラムなのだが、高速道路の標識やカーディーラー、大型商業施設にある充電設備から道の駅、コンビニエンスストアのような場所に至るまで共通のピクトグラムが採用されている。最近はホテルや旅館の一部にも設置されていることがあるので目にしてる方も少なくないだろう。
ピクトグラムそのものは積水樹脂の公式サイトで施工用のデータをダウンロードすることが可能なので興味のある方はチェックしてみてほしい。フォントやピクトグラムを活用するUIは工事設計のための図面データも必要なのだ。ベースとなったフォントは丸ゴシック系であることが確認できる。
- 積水樹脂では施工やマークの制作に必要な交通関係のサインの図面を、ダウンロード可能な形で公開している
東京外環自動車道の狭山PA手前1kmの表示横に表示されてるEV QUICKマーク。ドライバーからの視認性はサイズの割に良好で、燃費ならぬ電費を気にしながら走っているときにはホッとするフォントとアイコンだ
- 東京電力エナジーパートナーによる使用規定。明確なガイドラインがあり、機器やサインを制作する場合には守る必要がある
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