初めての「技術同人誌」作り 「技書博」に出て記者が得たもの(3/3 ページ)
記者が実際に本を書いてイベントで販売するまでの体験記。記者は、本を執筆したことで何を得たのか。
これまで、自分が所属する同人ゲームサークルや友人のサークルの手伝いで即売会にサークル参加したことはあったが、1人でのサークル参加は初めてだったため、机の装飾は敷布とシール程度の簡素な感じになった。
開場した。入り口に並んでいた一般参加者たちが入ってくる。すぐに人だかりができるサークルもあれば、なかなか人が立ち止まらないサークルもある。記者のサークルはどちらかといえば当然後者だ。
それでも、サークル参加の方で開場直後に来てくれる方がいた。一般参加の方でも自分の前で足を止めてくれる人がぱらぱらといた。
中でもうれしかったのは、開場後比較的早い段階で「この本が欲しかったんだよね」と迷わず500円を差し出してくれる人がいたことだ。自分以外の誰かにも、このテーマの需要があったのだと実感した瞬間だった。
他にもいろいろと反応をいただいた。表紙を鳩にしていたので「鳩の同人誌かと思った」という声や、「viは使っていたけれど、VimやGVimは分からない」という声、「自分もVimで最近文章を書き始めているが、なかなか使い方に苦戦している」などなど。
本名ではなくTwitterネームで出したので、「あるごすさんって、○○さんのタイムラインでよくお見掛けするあのあるごすさんですか!?」という出会い(?)もあった。
技術本を書いて得られたこと
結果、本は25部売れた。ちょうど印刷代に届く程度の売上で、サークル参加費用や自身の人件費を考えれば赤字だ。
しかし、得るものもあった。ニッチなジャンルにもかからわず、25人の方に手に取っていただけたこと。購入していただいたかどうかに関係なく、足を止めてくれた方々からいろいろなフィードバックをいただけたこと。
本として内容をまとめ上げることで、記者自身の学びにもなった。「教うるは学ぶの半ば」というやつだ。書いた内容が間違っていないか確認するため、公式レファレンスや商業の解説本(「Vimテクニックバイブル」など)の記述もあらためて確認し、「こんな方法もあるのか」と発見したこともあった。
「これまで技術書を書いたことがなくても、本を書いてみてほしい」という技書博に背中を押されなかったら、この経験や学びはなかっただろう。
この経験と赤字を天びんに掛ければ、どちらに傾くかは言うまでもない。
「イベントが終わるとどうなる?」「知らんのか」
そして、次のイベントにも参加できることになった。9月開催の「技術書典7」のサークル参加に当選した。この締切を目標に、今回書ききれなかった部分を書き終えたい(いわゆる「締切駆動執筆」である)。
12月には技書博の第2回があるという。こちらはまだ先のことなので、参加できるかはなんともいえない。
また、知人の好意でコミケ4日目(8月12日、南ラ-27b「Project Connect」)にも売り子として参加しつつ、既刊を頒布できることになった。
もし、日本語の編集にGVimを使うということに興味があったら、サークルの様子を覗きに来てくれるとうれしい。
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