メルペイは8月15日、利用規約を改訂し、ユーザーが不正利用の被害に遭った場合、被害額を補償すると明記した。これまでも必要に応じて補償していたというが、補償の基準を明確に示していなかった。今回「実態に即した形で、規約を変更した」としている。
規約によれば、被害を受けた直後にユーザーがメルペイに報告し警察署への申告などを行えば「被害額の補償を請求できる」という。ユーザーの申請内容が正確かどうかを確認するなどした上で、「不正利用にかかる損害額を限度に補償する」と明記した。
LINE Payは「補償する」、d払いは「検討」、PayPayは「ケースバイケース」
主要なモバイル決済サービスでは、LINE Payが「不正利用時の被害額を補償する制度を導入している」と明記している。同社は、被害に遭ってから30日以内に申し立てること、ユーザーが「他人にパスワードを教えていた」場合などは補償対象外になること——というように細かく条件を定めている。
一方、NTTドコモの「d払い」は、利用規約の中で「いかなる場合でもお客さまにお支払いいただきます」と明記している。ただ、同社の吉澤和弘社長が7月の決算会見で「海外からのリスト型攻撃が非常に増えている」と言及するなど、不正ログインの危険が指摘される中で「(補償の方針については)課題と考え、検討していく」(広報担当者)という。
PayPayは、利用規約に明記はないが、昨年12月ごろに相次いだクレジットカードの不正利用については「全額補償する」という方針を発表していた。同社は「それ以降にもわずかではあるが不正利用が発生しており、(補償は)ケースバイケースで判断している」としている。
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