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京アニ事件1カ月(中):

府警「異例」の対応 京アニ事件、被害者は一部匿名のまま 多様、変化する被害者ニーズ (2/3)

「今回の事件は極めて重大で、関心も高い。匿名にすると臆測や誤った事実が流れ、亡くなった方の名誉が傷つく。ご要望を聞き取り、報道機関に伝えて実名を伝える。ご遺族にはこのような説明を丁寧に行った」。事件発生から15日後の今月2日、犠牲者の一部の身元を公表した京都府警幹部はこう説明した。

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産経新聞

 平成13年の大教大付属池田小事件で、遺族の依頼を受けて支援に入った常磐(ときわ)大の長井進名誉教授(被害者学)は、「それぞれの被害者には本来、利害関係のない第三者が事件発生直後から中立的に関わることが不可欠。警察と雇用主が一元管理しているような現状では、被害者の主体性、自発性がどう考慮されたかが分からない」と指摘する。

 被害発生直後から、犯罪被害者はさまざまな機関での手続きなどに追われる。ここで支援に入るのは主に警察だが、全国で3番目の民間被害者支援組織として8年に設立された「大阪被害者支援アドボカシーセンター」の楠本節子顧問(73)は「どこかの時点で、専門的訓練を積んだ被害者支援組織などに引き継ぐことも必要では」と話す。被害者のニーズは時間とともに変化し、多岐にわたるためだ。

 同センターでは専門的な研修を受けたスタッフが相談への対応のほか、直接支援活動なども実施。昨年度は延べ1827回の支援活動を行った。直接支援の内容は警察への付き添いなどさまざまだが、楠本顧問は「専門的な知識がなくても、周囲の方がご飯を作り、買い物をしてくれたことが支えになったという方も多くおられる」と話す。

     ◇

 今回の事件では、報道のあり方も議論になっている。17年のJR福知山線脱線事故で次男の上田昌毅さん=当時(18)=を失った父、弘志さん(65)=神戸市北区=は「将来ある若い世代が事故で亡くなった無念さを世間に知ってもらいたい」と実名報道を許容してきたが、「遺族によって思いや考え方は全く違う。私には息子の知人から気遣いの電話があったが、『罰が当たった』などと理不尽な電話を受けた遺族もいる」と、匿名を望む遺族にも理解を示す。

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