みずほ銀のデビット決済「Smart Debit」が「Apple Pay」に対応、20%還元も実施 少額決済ユーザー取り込みへ
みずほ銀行のデビット決済サービス「Smart Debit」が「Apple Pay」に対応。iOS端末向けには「Mizuho Suica」との併用を促進し、少額決済ユーザーの獲得を図る。利用促進に向けた20%還元キャンペーンも実施する。
みずほ銀行は8月29日、デビット決済サービス「Smart Debit」が「Apple Pay」に対応し、iOS端末で利用可能になったと発表した。同日から、みずほ銀行の公式アプリ「みずほWallet」(iOS)上でバーチャルカードを即時発行する。同行の口座を持つ国内在住の15歳以上の顧客は、全国の「QUICPay+」「JCBコンタクトレス」加盟店で利用できる。
デビット決済は、銀行口座から代金を即座に引き落とす決済方法。Smart Debitは、これをスマートフォンだけで利用可能にするサービスだ。みずほ銀行は2018年3月からAndroid端末向けに提供しており、iOS端末への対応も進めていた。
顧客はみずほWalletアプリを起動し、カードの選択画面から「Smart Debitを発行する」を選ぶと利用可能になる。申し込みがペーパーレスで完了する点、プラスチック製カードが不要な点、アプリ上に直近の取引履歴や銀行残高を表示し、家計管理をサポートする点などがメリットだ。
年会費や利用手数料は不要。利用限度額は1回/1日当たり10万円で、1カ月当たり50万円。利用には、iOS10.1以降の環境が必要。
「Mizuho Suica」と併用可能、少額決済ユーザー取り込みへ
みずほ銀行はiPhone向けに、同行の口座かApple Payから直接チャージできる電子マネー「Mizuho Suica」を18年8月から提供している。プリペイド型のMizuho Suicaとデビット決済のSmart Debitをそろえることで、少額決済の多様なニーズに対応し、利用者の獲得を加速させる狙い。
みずほ銀行の手嶋高史氏(リテールデジタル開発部長)は「(使いすぎることを懸念して)クレジットカードに抵抗がある層は一定数存在する。デビット決済は口座残高の範囲内でのみ利用できるため、近年伸びを見せている。そのため、今後のキャッシュレス化推進のポイントは、少額のデビット決済だと判断した」と説明する。
同じく若宮太郎氏(リテールデジタル開発部 デジタルチャネルチーム 次長)は、「みずほWalletアプリという1つの決済ツール上で、Mizuho SuicaとSmart Debitという複数の決済方法を利用できる。財布の中に(プラスチック製カードを)何枚も持つ必要はなくなる」と自信を見せる。
20%還元も実施
利用促進に向け、8月29日〜12月15日にかけて、QUICPay+加盟店でSmart Debitを利用したユーザーに、決済額の最大20%をキャッシュバックする企画も行う(最大1万円、Android版のユーザーも対象)。
8月29日〜10月31日にかけて、Smart DebitとMizuho Suicaを新たに発行し、Mizuho Suica残高にチャージをしたiOSユーザー限定で、チャージ額の20%(最大1000円)をキャッシュバックする企画も同時に実施。両サービスの併用を促す。
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