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ヤフーがZOZO買収に至った理由とは? ヤフー・ZOZO・前澤氏、三者三様の思惑(3/3 ページ)

ヤフーがZOZOを買収する方針を発表し、ビジネス界を驚かせた。同日、両社とZOZOの前澤前社長が記者会見を開催。そこで語られた、提携の狙いと背景にある思いとは?

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まるで結婚のよう

 提携に至った理由と今後の展望を、会見でオープンに語った3氏。前澤氏はヤフーとZOZOの提携を「まるで結婚のようだ」と評したが、EC領域で先行する楽天やアマゾンジャパンに追い付くために若者客を取り込み、取扱高と営業利益を伸ばしたいヤフーと、現在の事業に限界を感じ、顧客基盤を拡大したかったZOZOにとって、互いにベストな相手だったようだ。

 また、前澤氏に長年仕える中で、トップダウン経営の良い面・悪い面を目の当たりにしてきた澤田氏と、ZOZOを創業して大きく成長させた一方、昨今は初代「ZOZOSUIT」の開発失敗に伴って損失を計上したり、「ZOZOARIGATO」セール実施による一部ブランドの“ZOZO離れ”を招いたりと失敗も目立ち始めていた前澤氏。前澤氏の月旅行への関心が高まっていたこともあり、両氏もこのタイミングでの社長交代がベストだと判断したとみられる。

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会見での川邊氏、澤田氏、前澤氏

 こうした思惑が絡みあい、今回のビッグディールが実現した。ヤフーは今夏、子会社アスクルとの対立が表面化し、少数株主と支配株主との利益相反が取り沙汰されたが、川邊社長はZOZOとの提携においては「全ての株主と同じ目線で、ZOZOの価値をいかに最大化できるかを考えたい」と“親密路線”を貫く構えを見せた。

 これからZOZOを率いる澤田氏は、会見の最後に「創業者が去るということは、小さいことではない。そういう時だからこそ、臆することなく、養ってきた底力や挑戦心、アイデアを生かしていきたい。ヤフーの力を生かしながら、ZOZOという会社を磨き上げていく。それが使命だと思っている」と力強く語った。

「Let's Start Today」

 自ら生んだZOZOを去る前澤氏は、時折言葉を詰まらせながら「社員は家族だと思って21年間やってきた。今日(辞任を告げた時の)社員の顔を思い浮かべると、胸が締め付けられる」と心境を吐露。

 「Let's Start Today」と書かれたTシャツを指さしながら、「毎日毎日が新しい始まり。(旧社名でもある)スタートトゥデイは、ZOZOにとっては非常に重要な名前だし、僕にとっても大切。ここにきて、別々の道を歩むことになったが、このシンプルな考え方を基に、これからも互いに一歩一歩、新しい人生を楽しんで生きていけたらいいな」と話した。

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