レッドハット、「Openstack Platform 15」「OpenShift Service Mesh」国内で提供開始
レッドハットが、「Red Hat Openstack Platform 15」と「Red Hat OpenShift Service Mesh」を国内で提供開始。前者は「Stein」をベースに、「Red Hat Enterprise Linux 8」にも対応。前バージョンからパフォーマンスを高めた。後者は「Red Hat OpenShift Container Platform 4」上でKubernetesを使った際に、アプリ間通信を最適化する。
レッドハットは9月26日、クラウド基盤向けのオープンソースソフトウェア「Red Hat Openstack Platform 15」「Red Hat OpenShift Service Mesh」を正式発表し、国内向けに提供を始めた。グローバルでは発表済みで、米Red Hatが「オープン・ハイブリッドクラウド」戦略に基づいて設計した製品だ。
Red Hat Openstack Platform 15は、パブリッククラウド・プライベートクラウド環境の構築・管理などの用途に対応する。Red Hatが5月に発表した新OS「Red Hat Enterprise Linux 8」を利用でき、前バージョン「14」からパフォーマンスを強化した点が特徴だ。
具体的には、米NVIDIAのGPU・仮想GPUをクラウド経由で利用できるようにし、AIや機械学習を採り入れたワークロードに対応。米IBMのハードウェア「POWER9」の仮想マシンも選択可能にするなど、インフラ構築の選択肢を広げた。
この他、IP-Sec VPNの規模と帯域幅を拡大するなど、クラウドセキュリティも強化したという。
「Kubernetes」でコンテナ化したアプリの運用を効率化
Red Hat OpenShift Service Meshは、コンテナプラットフォーム「Red Hat OpenShift Container Platform 4」上で利用でき、コンテナ化したアプリケーションの運用効率化などの用途に対応する。
具体的には、同プラットフォーム上で「Kubernetes」を利用し、複数のコンテナ化したアプリケーションを実行する際に、アプリ間通信の接続を最適化する機能や、通信状況を監視する機能を持つ。両機能により、アプリを拡張する際のダウンタイムを抑制できるとしている。
Red Hat クラウド製品担当バイスプレジデントのジョー・フェルナンデス氏は「Red Hat OpenShift Service Meshは、Kubernetesをハイブリッドクラウド環境でも使いこなせるサービスだ。IBMのクラウド基盤だけでなく、AWSやAzure、GCPなど、どこでもアプリケーションを動かせる。デベロッパーをワクワクさせられる新しいイノベーションだ」と自信を見せた。
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