KDDIらがアスリート支援システム プレーをスマホで撮るとAIが解析 センサー内蔵サッカーボールで球速測定
KDDIとアクロディアが、AI技術を用いてアスリートの技術向上を支援するシステムを開発。スマホで撮影した映像をAIが解析する。
KDDI、KDDI総合研究所、アクロディアは10月7日、AI技術を活用してスポーツ選手の育成を支援するシステムを共同開発したと発表した。アクロディアが開発した、センサー内蔵のサッカーボールと組み合わせて使用する。スマートフォンで撮影したサッカー選手のプレーをAIで解析し、ボールが取得した球速などのデータと照合することで、パフォーマンスの改善につなげられるという。
同システムでは、KDDIが開発した「スポーツ行動認識AI」を活用する。このAIを使うと、スマートフォンカメラなどで撮影した映像から、選手の骨格や目、鼻、手や足の関節など計65点を自動認識し、フォームや体の使い方などをリアルタイムに解析できる。
同時開発したサッカーボールは3軸センサーを搭載しており、球速、回転数、回転軸の角度などのデータを取得可能。Bluetooth経由でスマホにデータを転送すると、専用アプリでシュートやパスに関して解析できる。
AIで解析した体の使い方のデータに、サッカーボールが取得した球速などのデータを組み合わせて分析することで、数字に基づいたフォーム改善のアドバイスなどができるとしている。
KDDIとアクロディアは今後、共同で提供するアスリート向けサービス「アスリーテック」に、同システムを組み込むことを検討する。5Gが実用化された場合は、4K映像など大容量データの用途が広がることから、今後は同システムに蓄積した画像データを利用し、オンラインでの指導やけがの予兆検知などを提供する可能性もあるという。
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