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消防車の技術を生かした“泡シャワー” シルクのような手触りを体験CEATEC 2019

LIXILの子会社が“泡シャワー”をCEATEC 2019に出展。水、石けん、空気の割合を調整し、手では泡立てられないほど細かく整った泡を噴射する。

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 きめの細かい泡がシャワーヘッドから飛び出し、体を優しく包み込む──住宅設備大手LIXILの子会社NITTO CERAが、そんな専用シャワー「KINUAMI」(絹浴み)を、家電やIoT機器の見本市「CEATEC 2019」(10月18日まで、千葉・幕張メッセ)に出展している。消防車や消火器を製造するモリタ宮田工業と共同開発し、3月にクラウドファンディングを実施して話題を呼んだ製品だ。

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 KINUAMIは、シャワーヘッド、水と石けんを混ぜ合わせる本体装置、空気を送るコンプレッサーで構成。水、石けん、空気の割合を調整し、手では泡立てられないほど細かく整った泡を噴射する。本体装置のハンドルを回すと、湯が出る通常のシャワーと泡が出るシャワーを切り替えられる。

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本体、シャワーヘッド、コンプレッサーから構成

 水と薬剤を混ぜて圧縮空気を送り込み、泡を大量に生成するという、消防車などに使われる装置「CAFS」をヒントに開発した。モリタ宮田工業の担当者は「消防車のように、大口径のホースから泡を出すこと自体は難しくないが、シャワーヘッドのサイズから泡を出すことに苦労した」と話す。

 シャワーヘッドは細かい穴があいているため、泡のサイズがまちまちだと詰まってしまい、真っすぐ飛び出してくれない。それを避けるために水を多く配合すると、泡が流れやすくなってしまうので、調整が難しかったという。

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最終的に「発泡倍率11倍」で調整

 記者が体験してみると、シルクのように滑らかな泡が手を包み込み、吸い付くような感覚を味わえた。泡は人肌のような温かさで心地よく、いい香りもする。同社によると、天然シルク由来の保湿成分を配合する他、好みに応じた香料も加えられるという。

 3月にクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売したところ、20日間で目標台数100台が完売(1台当たり税込4万3000円)するなど、人気を集めた。クラウドファンディングの支援者には2020年1月までに配送する予定。

 20年4月以降に再販を検討しているが、美容用途に限らず、介護やペット分野での活用も考えているという。NITTO CERAの担当者は「CEATECの来場者の反応も見ながら、さまざまなサービスの可能性を模索していく」としている。

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