この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「AWS、Azure、GCPのどの仮想マシンからでもiSCSIでアクセス可能なブロックストレージ「HPE Cloud Volumes」、HPEが国内リージョンで提供開始」(2019年10月24日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、AWSやAzure、GCPのどのクラウド内の仮想マシンからでもiSCSIで高速にアクセスできるフルマネージドなブロックストレージサービス「HPE Cloud Volumes」を、日本国内にある同社のデータセンターから提供を開始し、11月1日より販売を開始すると発表しました。
11月1日の時点でAWSとAzureに対応。GCPへの対応は近日中に行われるとのこと。
特定のクラウドに依存しないストレージを作成できる
Cloud Volumesの大きな特徴は、特定のクラウドに依存しないブロックストレージが提供されていることです。
一般に、例えばAWSのブロックストレージであるAmazon EBSで作成されたボリュームは、AzureやGCPのようなAWS以外の仮想マシンからアタッチしてアクセスするといったことはできません。
Cloud Volumesのボリュームは、作成時にどのクラウドからアクセス可能にするかを設定することで、AWSやAzure、GCPなどの仮想マシンからiSCSIストレージとしてアタッチ可能になります。
ボリューム作成後も、設定を変更することでアクセス可能なクラウドを切り替えることができます。
1つのボリュームは1つのクラウドの仮想マシンからのみアタッチされ、アクセス可能になりますが、Cloud Volumesの持つスナップショット機能とクローン機能を使い、ボリュームのスナップショットからクローンを作成し、それを別のクラウドからアクセス可能にすることで、最初のボリュームのスナップショットを別のクラウドからアクセス可能にできます。
これによって、物理的にデータの移動やコピーをまったく行わずに、データの分析などで複数のクラウドを使い分けることができるとHPEは説明しています。
Cloud Volumesが運営されているデータセンターは、それぞれのクラウドに対して十分小さなレイテンシを実現できる場所を注意深く選んで設定されているとのこと。
オンプレミスのNimble Storageとのレプリケーションも
Cloud VolumesはオンプレミスのHPE Nimble Storageとのレプリケーションにも対応しているため、Nimble StorageのデータをCloud Volumesのボリュームへレプリケートすることで、オンプレミスのデータをAWSやAzure、GCPなどのクラウドから簡単にアクセス可能にできるほか、オンプレミスやパブリッククラウドと独立したディザスターリカバリーサイトとして利用することも可能。
Cloud Volumesは従量課金制ですがプリペイド方式になっており、6万円から。国内での販売はHPEの営業を通じて行われます。将来的にはポータルからクレジットカードでの課金にも対応する意向とのこと。
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