「エーアイクエスト 〜そして分析へ〜」 辞令と社内調整とセキュリティと呪われし責任者:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(2/6 ページ)
AI事業部を立ち上げるぞ――大企業で新規事業を立ち上げるときにはどんな困難を伴うのか。RPGっぽく解説してみた。
人事部
人事部「ここは人事部。管理職たちが使える部下を求めて集まる栄転と左遷の部署よ。何をお望みかしら?」
会社が選抜した社員を選ぶ
→自分で社員を選ぶ
→社員を加える →AIエンジニア
「ごめんなさい、その人はベンチャーに転職が決まったの。他の社員を選んでね」
→社員を加える →ビッグデータエンジニア
「ごめんなさい、その人は外資系に転職が決まったの。他の社員を選んでね」
→社員を加える →プロジェクトマネージャー
「ごめんなさい、その人はうつ病で休職中なの。他の社員を選んでね」
人事部「どこまで人事部をばかにするの? 黙ってこちらで選抜した社員を選びなさい」
はい →いいえ
フロアの奥から部長が出てきた。
「われわれにとって証拠を捏造(ねつぞう)して社員を懲戒免職にするのは造作もない。君もこの会社で仕事をするなら人事部に従いなさい」
→はい いいえ
人事部「分かってくれてうれしいわ。じゃあ人事部が選んだ3人の精鋭社員を紹介するわ」
- 入社2年目で実績は全く無いけどノリと勢いだけはある ぺーぺー
- 上司と揉めた末に雑用ばかり押し付けられた おちゃくみ
- もうすぐ定年なので波風立てずに退職金をもらいたい まどきわ
人事部「あなたのために素晴らしい社員を集めたわ。頑張ってエーアイ事業部とやらを立ち上げてね」
ああああ は、社内で情報収集を行った。
人事部「ノートPCは装備するだけでなく、社内システムに接続しなければ役に立たないよ」
人事部「社内システムを管理しているのは情報システム部だぞ」
情報システム部
情シス部長「私が情報システム部の責任者だ。この忙しい時期になにかね」
情シス部長「社内システムに接続するには、社内システムから申請書をダウンロードして必要事項を記入し、印刷した書類に自分と上長の印鑑を押して提出したまえ」
情シス部長「社内システムが使えない? 同じ部署の他社員に頼めばいいだろう?」
情シス部長「エーアイ事業部? そんな部署はないし、私は聞いてないぞ。手続きは手続きだ、準備ができてから来たまえ」
情報システム部門の他社員に話しかけた。
情シス担当「部長に断られたのか。あの人は派閥争いに負けて左遷されたから、ITは全く分からないんだ。手続きとルールばかり複雑にして、作業は外注に丸投げだよ」
情シス担当「申請手続きせずに社内システムを使うなら、あそこで寝てる ぱそおた に頼んでみろよ」
→話す →ぱそおた
ぱそおた「ぐうぐう……」
いびきをかいて寝ている。起きる気配は全くない。
情シス担当「彼の技術力はすごいけど、つまらない仕事に飽きていつも寝てるんだ」
情シス担当「夜にエナジードリンクを飲んで仕事してるらしいぞ」
ああああ はオフィスを出て、ビルの1階に向かった。
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