「スマホで錬金術」とウソの広告、サポート料の高額請求で被害額は7億円以上 消費者庁が名指しで注意を呼びかけ
消費者庁は、WAVEがうその広告を配信し、多額の金銭を消費者に支払わせる悪質な行為をしているとして注意を呼びかけた。これまでに約8200人から計7億7000万円を売り上げたという。
消費者庁は11月7日、IT関連のコンサルティングを手掛けるWAVE(東京都新宿区)が、「超簡単『スマホで錬金術』」「月収120万円稼げる最新ビジネス」などをうたい文句に、多額の金銭を消費者に支払わせる悪質な行為をしているとして注意を呼びかけた。同社はこれまでに約8200人から計7億7000万円を売り上げたという。
1月から10月の間、全国の消費生活センターに同様の被害に関する相談が365件寄せられていた。消費者庁が調査したところ、WAVEが「短時間で簡単に稼げる」など、うその広告をWebサイトやLINE上に広告として配信していることを確認した。
偽ブログから消費者を誘導 高額な有料サポートに加入させる
WAVEは広告代理店に依頼して、個人ブログやLINEのメッセージで「大金を稼いだ」とする架空の体験談を載せた広告を配信。自社のWebページに消費者を誘導し、登録者には初期費用として1万円ほどを支払わせた。
同社が消費者に提案した稼ぎ方は、無在庫転売と呼ばれるもの。ECサイトで販売されている商品を購入せずに他社ECサイトに出品。注文が入ってから商品を購入して転売し、差額でもうける仕組みだ。利益分の金額を上乗せして出品するため、大手ECサイトでの販売価格と比べて価格が高くなり、商品はほとんど売れないという。
さらに「40万円のプランに加入すれば、確実に月に27万円稼げる」「支払ったお金はすぐに取り戻せる」などと言い、8〜150万円程度の有料サポートプランに加入するように促していたという。実際には加入した消費者に対してサービスを提供しなかった。
「簡単に大金を稼げるなどとうたう広告を信じてはいけない」
消費者庁によると、同様の手口で金銭を支払わせようとする悪質業者の相談は多いという。初期費用として安価な費用を支払わせ、後から高額な商品を買わせるケースもある。
「過去にも本件と同様の被害が多発していることからすれば、スマートフォンを使って誰でも短時間で簡単に大金を稼げるなどとうたう広告の信ぴょう性は極めて低いと考えるべき」(消費者庁)
同庁は、不審な取引だと感じた場合は契約や支払いを行う前に消費生活センターや警察などに相談するよう呼びかけている。
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