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認証の世界も「AI対AI」の戦いに? botを見破る技術「CAPTCHA」のハナシ今さら聞けない「認証」のハナシ(2/4 ページ)

認証について分かりやすく解説する連載。今回のテーマはbotを見破る技術である「CAPTCHA」。

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どんなCAPTCHAがある?

 CAPTCHAは、人間には解決できるがbotには解決できない問題であれば、「画像化されたゆがんだ文字」でなくても構いません。

 画像認識技術が発達して一般化していくにつれ、簡単なゆがませ方や装飾方法ではbot対策にならなくなってきたので、文字画像に複雑な処理を加えることも多くなってきました。その結果、人間でも間違えることが増え、何度も入力させられることにストレスを感じてサービスの利用をやめる人が出てしまう問題も起きています。そのため、botには正解しづらく、人間には文字の判読や入力の手間が掛からないCAPTCHAが求められているのです。

 Googleでは、風景画像を分割して表示し、「自動車」「標識」などがどのスペースに写っているかを指定するシステム「reCAPTCHA」を提供しています。

 しかし、たまに「棒の部分は標識に含むの?」「どう見ても自動車が走っていないのだけど」などと指摘したくなるような風景画像が表示され、ストレスを感じてしまうこともあります。下記の記事では、そのような例が紹介されています。

 ソースコード共有サービス「GitHub」の会員登録時には、動物のイラストを回転させて、正しい位置に直すCAPTCHAが採用されています。動物のイラストが灰色とそのグラデーションで作られているのは、こういう色使いがbotには認識しづらいからなのでしょうか。


GitHubの会員登録画面のCAPTCHA

 中国の動画配信サービス「bilibili」(ビリビリ動画)の会員登録時に行うCAPTCHAは、風景イラストの中に表示した漢字を、イラストの上に表示した順番にクリックしていくタイプです。イラスト内に文字を隠す(人間には隠しているとは思えませんが)だけでなく、題目の漢字を少し傾けて表示することで、bot側に手間をかけさせています。さらに、ログイン時にはスライダーを使ってパズルを完成させるタイプの別のCAPTCHAが採用されています。


bilibiliの会員登録画面のCAPTCHA

bilibiliの会員登録画面のCAPTCHA

 今回お話を伺ったCapyでは、ジグソーパズルのピースをドラッグして画像を完成させる「パズルCAPTCHA」や、背景画像に合致したアイコンを選択して適した位置に移動させる「アバターCAPTHCA」を提供しています。クリックだけでなく、ドラッグが必要な所も他の例と違います。


パズルCAPTCHA

アバターCAPTCHA

 ここに挙げたCAPTCHAは、画像を利用しています。botには、画像を基に何かを判別することが困難だという特性があるためです。

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